「ウパちゃんのエラに白いふわふわしたものが付いている…」
そう気づいたとき、心臓がドキッとした方も多いのではないでしょうか。あの白い綿のような付着物は、ウーパールーパーに比較的よく見られる「水カビ病」のサインである可能性があります。
私も飼い始めて間もない頃、エラの先端に小さな白いモヤを見つけたことがありました。「これって水カビ?病院に連れて行くべき?」と頭が真っ白になりながら検索した記憶があります。あのときもっと早く正確な情報にたどり着いていれば、と思ったのでこの記事にまとめました。
水カビ病は、発見が早ければ自宅での対処で回復できるケースが多い病気です。この記事では、白い綿の正体から原因・症状の見分け方・治し方・再発防止策まで、順番に解説していきます。まずは落ち着いて読んでみてください。
ウーパールーパーの水カビ病とは?白い綿の正体
水カビ病とは、水中に常在するカビ菌(サプロレグニア属など)が、ウーパールーパーの体表に感染して発症する病気です。
「水カビ」という名前から「特別に汚い水でないと発生しない」と思われがちですが、実はそうではありません。サプロレグニアは清潔な水槽にも常に存在しており、ウーパールーパーの体が弱ったり傷ついたりしたタイミングで感染する、いわゆる日和見感染の一種です。
白い綿状のものが付着している場所は主に以下の部位です。
- エラのフィラメント(最も多い)
- 手足の指先
- 尻尾の先端
- 体表の傷口
健康な状態では免疫が働いてカビ菌を寄せ付けませんが、水質悪化や低水温などでウパちゃんの体力が落ちると感染しやすくなります。

水カビ病の主な原因|「低水温」は盲点
水カビ病の原因として、以下の3つが挙げられます。
原因① 水質の悪化
アンモニアや亜硝酸が蓄積した水は、ウーパールーパーの粘膜にダメージを与えます。粘膜が傷つくと、そこからカビ菌が侵入しやすくなります。水換えの頻度が少ない・フィルターが目詰まりしているといった状況で起きやすいです。

原因② 低水温(意外な盲点!)
ウーパールーパーの適水温は15〜20度ですが、水カビ菌は20度以下の低水温でむしろ活発に増殖します。ウパちゃんが快適な温度帯がカビにとっても活動しやすい温度だという、少し皮肉な話ですね。
冬場に水温が下がるほど水カビ病のリスクが上がることを知らない飼育者は多く、「なぜか冬場にばかり発症する」というケースはこれが原因のことがあります。

原因③ 傷口・粘膜の損傷
誤飲・他のウパとの咬み傷・砂利で擦れた傷口は、カビ菌の侵入口になります。体表に何らかのダメージがある状態では、水質が比較的良好でも感染することがあります。

症状の進行と重症度チェック(初期〜重症)
水カビ病は放置すると急速に広がります。重症度を判断して、適切な対応を選んでください。
初期(軽度)
- エラの先端や手足の指先に、小さな白いモヤ・綿状のものがほんの少し付いている
- ウパちゃんの行動・食欲には変化がない
→ 水換えと塩浴で自宅対処できるケースが多い
中期
- 白い綿がエラ全体・手足全体に広がってきた
- 食欲が落ち、動きが鈍くなっている
→ 水換え強化+塩浴を継続。改善しない場合は獣医受診を検討
重症
- 白い綿がエラの根元まで広がり、エラが溶けるように壊死している
- ほとんど動かない、餌を全く食べない
→ 獣医受診を強くすすめます
治し方①:まず水換えで水質を改善する
水カビ病の治療で最初にやることは、水換えです。薬でも塩浴でもなく、まず水換え。これが絶対の基本です。
水質が悪化していることが多いため、1/2〜2/3の量を換えて水質をリセットします。同時にフィルターを点検し、目詰まりがあればすすぎ洗いをしてください。
- カルキ抜きをしっかり行う
- 換える水の水温を元の水槽と±1〜2度以内に合わせる
- 全量交換はしない(バクテリアが死滅するため)
「まず水換え」だけで、軽度の水カビ病が回復し始めるケースもあります。2〜3日続けて水換えを行い、様子を見てください。

治し方②:塩浴のやり方(濃度・手順・期間)
水換えと並行して、塩浴を行うことで水カビ菌の活動を抑制できます。
- 塩分濃度: 0.3〜0.5%(水1Lに3〜5g)
- 1回の時間: 15〜30分
- 1日の回数: 症状が出ている間は1〜2回(重い場合は2回、様子見の場合は1回)
- 期間: 5〜7日間
使う塩: 食塩(添加物なし)・粗塩・アクアリウム用塩のいずれか。にがり入り・味付き塩はNG。
0.5%(水1Lに5g)を絶対超えないこと。これ以上になるとウパちゃんの体への負担が大きくなり、逆効果になります。

やってはいけない!マラカイトグリーンなど観賞魚用薬の使用
水カビ病と聞いて「薬を使えばいい」と思った方——少し待ってください。
観賞魚(金魚・グッピーなど)の水カビ病治療に広く使われるマラカイトグリーン(グリーンFリキッド・ヒコサン等)は、両生類に対して強い毒性があります。ウーパールーパーに使うと、水カビより先にウパちゃん自身がダメージを受けてしまいます。
同様に、メチレンブルー・エルバージュなど多くの観賞魚用薬も両生類には適していません。
薬を使いたい場合は、必ず爬虫類・両生類に対応した動物病院で処方してもらうことが鉄則です。「エキゾチックアニマル対応 動物病院 [お住まいの地域]」で検索すると見つかりやすいです。受診前に電話でウーパールーパーの診察可否を確認しておくとスムーズです。
再発を防ぐ予防策
一度治っても、環境が改善されていなければ再発します。以下の予防策を日常に取り入れてください。
- 水質管理を徹底する: フィルターありの環境では週1回、1/3〜1/2の水換えが基本。フィルターも月1回程度は点検・清掃しましょう
- 冬場の水温低下に注意する: 20度以下の低水温はカビが活発化する温度帯。特に冬場は水温計で毎日確認し、急激な温度低下がないようにしましょう
- 傷をつくらない環境づくり: 誤飲しやすい中途半端なサイズの底砂は避け、複数飼いの場合は隠れ場所を十分確保して咬み傷を防ぐ
- 毎日のエラチェック: 餌やりのたびにエラに白いものが付いていないか確認する習慣をつけるだけで、初期で対処できる確率がぐっと上がります
よくある質問
- 白い綿が付いているのにウパちゃんが元気そうです。放置してもいいですか?
-
元気そうに見えても、水カビ病は放置すると急速に広がります。初期の今こそ対処のチャンスです。まずは水換えを行い、症状を観察してください。早めに動くことで回復もずっと早くなります。
- 水カビ病が治ったあと、エラは元通りになりますか?
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軽度・初期であれば、治療後にエラのフィラメントが再生することがあります。ただし、フィラメントが根元から壊死してしまった場合は完全に元通りにならないこともあります。いずれにせよ、環境を整えることでウパちゃんの負担は軽減されます。
- 水カビ病か食べ残しか分かりません。どう見分ければいいですか?
-
水換えをして確認してください。食べ残しは水換えの際に流れますが、水カビはウパちゃんの体に付着したまま取れません。水換え後も体に白いものが残っている場合は水カビ病を疑い、対処を始めてください。
まとめ
- 水カビ病の正体はカビ菌(サプロレグニア等)の日和見感染。原因は水質悪化・低水温・傷口の3つ
- 低水温(20度以下)でカビが活発化する。冬場に発症しやすいのはこのため
- 治し方はまず水換え→塩浴(0.3〜0.5%)の順。観賞魚用薬は使わない
- マラカイトグリーンなど観賞魚用薬は両生類に毒性あり。絶対に使用しない
- 重症(エラが根元から壊死)の場合はエキゾチックアニマル対応の動物病院へ
白い綿を見つけたら、まずは慌てず水換えを。初期の水カビ病は適切に対処すれば回復できます。ウパちゃんが元気を取り戻せるよう、毎日少しだけ観察する習慣を大切にしてくださいね。


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