「ウーパールーパーってなんであんなにいろんな色があるの?」
ペットショップで初めてウーパールーパーの水槽を覗いたとき、ふわっとした外鰓の白いコと、目が黒いコと、全身がほんのり黄色いコが並んでいて、「これ全員同じ生き物なの?」と驚いた記憶があります。値段も色によって違ったりして、余計に謎でした。
実はウーパールーパーの体色は、皮膚の中にある「色素胞」という細胞の種類と量で決まっています。そして色素胞の組み合わせはすべて遺伝子によってコントロールされているので、ある意味「親ガチャ」のような仕組みになっています。
この記事では、色素胞の種類と5つのカラーへの影響、混同されがちなアルビノとリューシスティックの違い、遺伝の仕組み、そして成長による色の変化まで、飼育歴をもとにできるだけ分かりやすく解説します。
ウーパールーパーの色を決める「色素胞」とは?
色素胞とは、皮膚や体表に存在する色素を持った細胞のことです。ウーパールーパー(アホロートル)の体色は、主に3種類の色素胞の種類と量の組み合わせで決まります。
① メラノフォア(黒・茶系の色素胞)
黒色や茶色のメラニン色素を持つ細胞です。ウパちゃんの体が黒っぽく見えたり、斑点があったりするのはこの細胞が作用しているからです。体色だけでなく、目の色(虹彩の色)にも影響します。
② イリドフォア(光沢・白色系の色素胞)
光を反射するクリスタル状の色素を持つ細胞です。白っぽい体色や、光の当たり方で体がキラッと光る「パール感」を生み出します。リューシスティックの白い体色の主役もこの細胞です。
③ キサントフォア(黄・赤系の色素胞)
黄色やオレンジ系の色素を持つ細胞です。単体での影響は地味ですが、メラノフォアと組み合わさることで体全体の色調に影響します。

3種類の色素胞と5つのカラーへの影響
上記3種類の色素胞の有無・量の違いによって、代表的な5カラーが生まれます。
ワイルドカラー(野生型)
3種類の色素胞がすべて存在するカラー。緑がかった茶色または黒のまだら模様が特徴で、野生のウーパールーパーに最も近い外見をしています。目は金色がかった黄色〜茶色。最も丈夫とされることが多いカラーです。ショップで最初に見たとき「地味だな」と思ったのですが、飼い込むほどに独特の渋さに惹かれる魅力があります。

メラノイド(黒)
メラノフォアが過剰に多いカラー。全身が黒〜濃いグレーに見え、反射する光沢がほとんどなく、マットな黒さが特徴です。目はほぼ黒。地味に見えるかもしれませんが、水槽の中でシックに映える姿は「渋ウパ」として愛好家に根強い人気があります。

アルビノ(白〜クリーム色、赤目)
メラノフォアがないカラー。色素が作れないため、体はクリーム色や薄ピンクに見え、エラや皮膚が特に白〜ピンクがかります。最大の特徴は目が赤(赤目)であること。目に色素がなく、血管の赤が透けて見えるためです。光に弱い傾向があるので、強い照明や直射日光が当たらないよう薄暗めの環境にしてあげてください。

リューシスティック(白、黒目または青目)
アルビノと同様にメラノフォアがないカラーですが、イリドフォアが豊富に存在します。その結果、体は純白〜真っ白に見え、目はアルビノと異なり黒または青みがかった目になります。最も流通量が多く、「ウーパールーパーといえばこの白いコ」というイメージのカラーです。私が最初に飼ったのもリューシでした。白くて丸い顔が可愛くて、眺めているだけで癒されます。

ゴールデン(黄色〜オレンジ)
メラノフォアがなく、キサントフォアが多いカラー。体全体が黄色〜オレンジ色に見えます。流通量はやや少なく、ショップで見つけると「レア!」と思わず二度見してしまうカラーです。

アルビノとリューシスティックは何が違う?
「アルビノとリューシって全然違う種類?」と思いがちですが、実はどちらもメラノフォアを持たないという点では同じです。では何が違うのか?
違いはイリドフォアの有無(量)です。
| アルビノ | リューシスティック | |
|---|---|---|
| メラノフォア | なし | なし |
| イリドフォア | ほぼなし | 豊富にある |
| 体色 | クリーム・薄ピンク | 純白 |
| 目の色 | 赤(赤目) | 黒または青 |
ペットショップで区別がつかない場合は、目の色を確認するのが最も確実な方法です。赤目ならアルビノ、黒目・青目ならリューシスティックと判断できます。
私が初めてリューシスティックを飼いはじめたとき、しばらくアルビノだと思っていました。目の色を知らなかったので、白くて似たような見た目に区別がつかなかったのです。店員さんに聞いてようやく気づきました。この「瞳の色で見分ける」という知識は、飼い始める前に知っておくだけで全然違います。

遺伝の仕組み|なぜ同じ親から違う色が生まれる?
ウーパールーパーの体色は、色素胞の発現を調整する複数の遺伝子によって決まっています。具体的には、メラノフォアの有無・イリドフォアの量・キサントフォアの量などに関わる遺伝子が、それぞれ組み合わさります。
一般的に色素のない形質(アルビノ・リューシなど)は劣性遺伝の性質を持ちます。つまり、両親からそれぞれ「色素なし遺伝子」を1つずつ引き継がないと、その色が発現しません。
- 両親ともワイルドカラーでも、どちらも劣性遺伝子を持っていた場合、子どもの一部がアルビノになることがあります
- リューシスティック同士を掛け合わせると、子どもはほぼリューシになりますが、ときどきアルビノが生まれることも
複数の遺伝子が絡むため、実際にどの色が生まれるかは確率的に決まります。繁殖を試みる場合は「この組み合わせから何割の確率でどのカラーが出るか」を計算することもできますが、実際には想定外のカラーが出ることもあって、そのサプライズも繁殖の醍醐味です。
成長とともに色が変わることがある?
答えは「ある」です。特に稚ウパ〜幼体期は体色が安定していないことが多く、成長とともに本来の色が出てきます。
たとえば、幼体期のリューシスティックは全体的に色が薄く透明感があり、成長するにつれ白さが増していきます。ワイルドカラーでも、若いうちは模様がはっきりせず、成体になるにつれて斑点が鮮明になることがあります。
実際に私のリューシも、飼い始めて半年ほどたったある日、体の一部がうっすら黄みがかって見えて「え、病気?」と焦りました。でも水質を調べると特に問題はなく、時間が経つとまた白に戻りました。後で調べると、照明の反射角度や水温の変化で色の見え方が変わることがあるとわかり、一安心した記憶があります。
変色が起こりやすいケース
- ストレス(水質悪化・水温変動・狭い環境)により、色素が一時的に薄くなる
- 日光の当たりすぎで色素が退色する
- 病気(皮膚疾患・菌感染)で体色が変わって見える
成長による自然な変化なら心配いりませんが、「急に体色が薄くなった」「斑点が急に増えた」という場合は、まず水質と水温を確認してみてください。特に水温が上がりすぎると体色に影響が出やすいです。

よくある質問
- アルビノのウーパールーパーは目が悪いですか?
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アルビノは目に色素がないため光に敏感で、強い光の下では視力に影響が出るケースがあります。強い照明や直射日光が当たらない薄暗めの環境にしてあげるのがおすすめです。「目が見えない」わけではなく、暗い環境では問題なく行動できます。
- 体の一部だけ色が違う(パイド柄)のウパちゃんを見ました。これは何カラーですか?
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白地に黒い斑点が混じる「パイド」(まだら模様)は、リューシスティックの変異型として見られます。色素胞の発現が体の部位によって不均一に起きた結果で、比較的珍しく個性的な模様として人気があります。飼育方法はリューシスティックと変わりません。
- 同じカラーのウパ同士から、異なるカラーの子どもは生まれますか?
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生まれることがあります。両親がワイルドカラーでも、どちらも劣性遺伝子を持っていれば確率的にアルビノの子どもが生まれます。繁殖は遺伝の面白さを実感できる体験です。
まとめ
- ウーパールーパーの体色は3種類の色素胞(メラノフォア・イリドフォア・キサントフォア)の有無と量で決まる
- 代表的な5カラーは ワイルド・メラノイド・アルビノ・リューシスティック・ゴールデン
- アルビノとリューシの最大の違いは「目の色」。赤目=アルビノ、黒目・青目=リューシ
- 体色は複数の遺伝子で決まるため、同じ親から異なるカラーの子が生まれることもある
- 稚ウパ期は色が安定しておらず、成長とともに本来の体色が出てくる
ウーパールーパーの体色の違いは、単なる「見た目の好み」だけでなく、遺伝子レベルの仕組みが関わっています。自分のウパちゃんがどの色素胞を持っているのかを知るだけで、なんだかぐっと愛着が湧きますよね。ショップで「あの子は何でこの色なんだろう」と想像しながら眺めるのも楽しいですよ。


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