「うちのウパちゃん、私のこと覚えてくれてるのかな?」
ウーパールーパーを飼い始めると、ふとこんな疑問が浮かびますよね。水槽の前に立つと近寄ってきたり、餌の時間になるとソワソワし始めたり。「もしかして、懐いてくれてる?」と思う瞬間があるはずです。
私もリューシスティック(白い体に黒い目のタイプ)のウパちゃんを飼い始めた頃、水槽に近づくたびにこちらをじーっと見つめてくるあの顔に「この子、私のこと好きなのかも!」と感動したのを覚えています。嬉しくなって水槽をコンコンと叩いたら……ウパちゃんは一目散に隠れ家の裏に逃げ込んでしまいました。そこから3日間、私が近づくたびにビクッとするようになって、本当に反省しました。
この経験から学んだのは、ウーパールーパーは犬や猫のように「懐く」わけではないけれど、「慣れる」ことはできるということ。そして、間違った接し方をすると慣れるどころか逆効果になるということです。
この記事では、ウーパールーパーが飼い主に慣れる仕組みと、具体的な慣れさせ方5つのコツをお伝えします。
結論:ウーパールーパーは「なつく」のではなく「慣れる」
最初にはっきりお伝えしますね。ウーパールーパーは「なつく」生き物ではありません。
犬や猫が飼い主に懐くのは、脳の中にある「大脳新皮質」という部分が発達しているからです。大脳新皮質は感情や愛着を司る領域で、哺乳類はここが非常に発達しています。だから犬は飼い主を見ると尻尾を振って喜ぶし、猫はゴロゴロと甘えてくるんですね。
一方、ウーパールーパーを含む両生類は、この大脳新皮質がほとんど発達していません。つまり、「この人が好き!」「飼い主さん大好き!」という感情を持つことは、残念ながらないのです。
じゃあ、水槽の前に立つと寄ってくるのは何なのか?
それは「慣れ」です。正確には「条件付け」と呼ばれる学習の結果なんです。「この大きな影が来ると、美味しいものがもらえる」と学習した結果、飼い主を見ると反応するようになるわけですね。
「なんだ、懐いてるわけじゃないのか……」とガッカリするかもしれません。でも、安心してください。この「慣れ」だって、十分に愛おしいコミュニケーションですよ。

ウーパールーパーが飼い主に慣れる仕組み|「条件付け」って何?
ウパちゃんが飼い主に慣れる仕組みを、もう少し詳しく見てみましょう。
これは心理学でいう「古典的条件づけ」というものです。有名な「パブロフの犬」の実験と同じ原理ですね。ベルを鳴らしてから餌をあげることを繰り返すと、犬はベルの音だけでよだれを垂らすようになった、というあの実験です。
ウーパールーパーの場合も同じことが起こります。
- 飼い主が水槽の前に立つ → 餌がもらえる
- この繰り返しで「人影=餌」と学習する
- やがて飼い主が近づくだけで反応するようになる

つまり、ウパちゃんは飼い主の「顔」を認識しているわけではなく、「大きな影」や「振動」を餌のサインとして覚えているんです。
とはいえ、毎日世話をしている飼い主と、たまに来る知らない人とでは反応が違うことも多いです。これは「いつもの振動パターン」「いつもの距離感」を学習しているからだと考えられます。
私のウパちゃん(リューシスティック、飼い始めて2年目)も、家族の中で一番お世話をしている私が近づくと、明らかに他の人より早く寄ってきます。妻が水槽の前に立っても無反応なのに、私が立つとスーッと近づいてくる。条件付けとはいえ、ちょっと嬉しくなりますよね。


実践!ウパちゃんを慣れさせる5つのコツ
では、具体的にどうすればウパちゃんに慣れてもらえるのか。5つのコツをご紹介します。
コツ1:毎日同じ時間に餌をあげる
条件付けの基本は「繰り返し」です。毎日決まった時間に餌をあげることで、ウパちゃんは「この時間になると良いことが起きる」と学習します。
朝でも夜でも構いませんが、できるだけ毎日同じ時刻にしましょう。私は夜8時と決めていますが、その時間が近づくとウパちゃんがソワソワし始めるのが分かるようになりました。

コツ2:水槽の前をゆっくり通る習慣をつける
いきなり水槽に顔を近づけると、ウパちゃんはびっくりして逃げてしまいます。普段から水槽の前をゆっくり、自然に通るようにしましょう。
「この影は危険じゃない」と認識してもらうことが大切です。最初は逃げていたウパちゃんも、1〜2週間もすれば動じなくなりますよ。

コツ3:ピンセットで手から餌をあげる
慣れてきたら、ピンセットを使って直接餌をあげるのがおすすめです。ウパちゃんがピンセットの先の餌に近づいてきてパクッと食べる瞬間は、飼い主として最高に嬉しい瞬間です。
最初はピンセットを怖がるかもしれません。餌を水中に落とすところから始めて、少しずつ距離を縮めていきましょう。

コツ4:急な動き・振動・大きな音を避ける
ウーパールーパーは振動や急な動きにとても敏感です。水槽の近くでドタバタしたり、大きな音を出したりすると、せっかくの慣れがリセットされてしまうことも。
水槽はテレビやスピーカーの近く、ドアの開閉で振動が伝わる場所は避けて設置するのがベストです。

コツ5:水槽のライトを急に付けない
ウーパールーパーは光に敏感な生き物です。暗い部屋で突然ライトをパッと点けると、強いストレスを感じます。
ライトを使う場合は、まず部屋の照明を点けてから水槽のライトを付ける、という2段階にしてあげましょう。私の家では水槽用ライトは使わず、部屋の間接照明だけにしています。

慣れたウーパールーパーはこんな行動をする!段階別チェックリスト
ウパちゃんが飼い主に慣れていく過程には、段階があります。「うちの子、今どのくらい慣れてるのかな?」という目安にしてみてください。
【レベル1】逃げなくなる(飼い始め1〜2週間)
飼い主が水槽の前を通っても、パニックにならず落ち着いている状態。まだ寄ってはこないけれど、「危険じゃない」と認識し始めた段階です。
【レベル2】こちらを見るようになる(2〜4週間)
飼い主が近づくと、体の向きをこちらに変えてじーっと見つめてきます。「ん? なんか来たぞ」と注目している状態ですね。
【レベル3】寄ってくる(1〜2ヶ月)
水槽の反対側にいたウパちゃんが、飼い主の姿を確認するとのそのそと近づいてきます。この「のそのそ」がまた可愛いんですよね。うちのウパちゃんがこの段階に来た時は、思わずスマホで動画を撮りまくりました。
【レベル4】ピンセットから食べる(2〜3ヶ月)
ピンセットで差し出した餌を、怖がらずにパクッと食べてくれます。飼い主冥利に尽きる瞬間です。
【レベル5】餌の時間に自分からアピールする(3ヶ月〜)
餌の時間が近づくと水槽の前面でウロウロしたり、水面近くに上がってきたりします。「そろそろご飯の時間でしょ?」と言わんばかりの態度。ここまで来たら、ウパちゃんとの信頼関係はバッチリです。
ただし、「手に乗ってくる」「撫でると喜ぶ」といった行動は基本的にありません。そこまで期待すると、ウパちゃんにストレスを与えてしまうので注意しましょう。
ちなみに、冬場は水温が下がってウパちゃんの活性も低くなるため、反応が鈍くなることがあります。「急に慣れなくなった?」と不安になるかもしれませんが、嫌われたわけではないので安心してください。春になって水温が上がると、また元気に寄ってくるようになりますよ。

やってはいけないNG行動3つ
ウパちゃんに慣れてもらいたいあまり、逆効果になってしまうNG行動もあります。
NG1:水槽をコンコン叩く
冒頭でもお話しましたが、これは私が実際にやってしまった失敗です。「こっち見て!」と水槽のガラスを叩くのは絶対にやめましょう。ウーパールーパーにとって、水中に響く振動は非常に大きなストレスです。慣れるどころか、人影=恐怖と学習してしまいます。私の場合、リカバリーに1週間以上かかりました。

NG2:素手でウーパールーパーを触る
人間の体温は約36度。ウーパールーパーの適温は15〜20度です。人間の手はウパちゃんにとって「熱い鉄板」のようなもの。素手で触ると体表の粘膜が傷つき、やけどのような状態になることもあります。
どうしても触れなければならない場面(移動など)では、水で十分に手を冷やしてから、短時間で済ませてください。

NG3:何度も水槽に手を突っ込む
「慣れさせよう」と頻繁に水槽に手を入れるのも逆効果です。ウパちゃんにとって、水中に突然現れる大きな物体は脅威でしかありません。手を入れるのは水換えと餌やりの時だけにしましょう。

よくある質問
- ウーパールーパーが飼い主に慣れるまで、どのくらいかかりますか?
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個体差がありますが、早い子で2〜3週間、慎重な子で1〜2ヶ月ほどです。毎日同じ時間に餌をあげて、静かに見守ることが近道です。焦らず、ウパちゃんのペースに合わせてあげてくださいね。
- 名前を呼んだら反応しますか?
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残念ながら、ウーパールーパーには名前を認識する能力はありません。ただし、声の振動に反応する可能性はあります。いつも同じトーンで声をかけていると、「この振動のあとに餌がくる」と学習することはあるかもしれません。
- 複数飼いの場合、飼い主を区別していますか?
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ウーパールーパー同士で「飼い主の取り合い」のようなことは起きません。ただ、餌をあげる人に対してはそれぞれが反応を示すので、個体ごとに慣れ具合の差は出てきます。
まとめ
- ウーパールーパーは犬猫のように「懐く」のではなく、条件付けによって「慣れる」
- 両生類は大脳新皮質が未発達で、感情的な愛着は形成されない
- 慣れさせるコツは「毎日同じ時間の餌やり」「ゆっくりした動作」「ピンセット給餌」
- 水槽を叩く・素手で触る・頻繁に手を入れるのはNG
- 慣れたウパちゃんは飼い主が近づくと寄ってくるようになる
「懐かない」と聞くとちょっと寂しい気もしますが、毎日のお世話を続けていくうちに、ウパちゃんがこちらを見つめてのそのそ寄ってくる。あの姿を見ると、「ああ、ちゃんと私のこと覚えてくれてるんだな」と温かい気持ちになります。
科学的には「条件付け」でも、飼い主にとっては立派なコミュニケーション。ウパちゃんとのゆったりした時間を、ぜひ楽しんでくださいね。


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