ウーパールーパーの息継ぎが多い|水面に上がるのは大丈夫?

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水槽をながめていたら、ウパちゃんがすーっと水面まで上がってきて、口をパクッとさせてまた沈んでいった。

その動きを初めて見たとき、わたしは正直あせりました。「え、いま息継ぎした? 苦しいの?」と思って、その日は何度も水槽の前に座り込んで数えていました。

先に結論を書いておきます。ウパちゃんが水面に上がって空気を吸うのは、それ自体は正常な行動です。 病気でも酸欠でもありません。ウパちゃんはエラだけでなく、肺でも呼吸できる生き物だからです。

ただし、「急に増えた」ときだけは話が別です。 ここが判断のすべてと言っていいくらい大事なところで、この記事ではその線引きを中心にお話しします。

目次

ウパちゃんは3つの方法で呼吸しています

まず仕組みから。ここが分かると、水面に上がる行動の意味がすっと理解できます。

ウーパールーパーには呼吸の手段が3つあります。

① エラ呼吸

頭の横についているあのフサフサ。あれが外鰓(がいさい)で、水に溶けている酸素を取り込む主役です。ふだんの呼吸はほとんどこれでまかなっています。

② 肺呼吸

ウパちゃんには小さいながら肺があります。水面に上がって空気を吸うのは、この肺を使っているときです。

③ 皮膚呼吸

皮膚からも酸素を取り込んでいます。だからウパちゃんの皮膚はいつも粘膜で潤っています。

ふさふさのエラ ウーパールーパー研究所

エラだけで生きているように見えて、実は3つを状況に応じて使い分けているんです。水面に上がる=エラが機能していない、ではありません。

知っておいてほしいのは、この3つの比重が固定ではないということです。水中の酸素が少なくなると、ウパちゃんは水面への浮上を急激に増やし、呼吸の主役をエラから肺へ切り替えます。 実験では、低酸素の環境で酸素消費の大半を肺呼吸がまかなうようになるという報告もあります。

つまり肺呼吸は「予備」ではなく、いざというときに主役を張れる手段です。だからこそ、息継ぎの回数は水中の酸素量を映す鏡になります。

先に確認|ウパちゃんの適水温は15〜20℃です

原因の話に入る前に、この記事でいちばん大事な数字を出しておきます。

水温状態
15〜20℃適温。ここを目指します
21〜22℃まだ許容範囲
23℃〜警戒。息継ぎが増えはじめる温度です
25℃〜病気のリスクが上がります
28℃〜命に関わります

ここを誤解している方がとても多いので、はっきり書いておきます。危ないのは25℃からではありません。23℃を超えたあたりから、すでにウパちゃんには負担がかかっています。

「24℃だから大丈夫」と思って水質やエラを疑いはじめる方がいますが、24℃で息継ぎが増えているなら、まず疑うべきは水温です。

水温計を持っていない場合は、これだけは先に用意してください。何度なのかが分からないと、この記事の内容は何ひとつ判断できません。

1日何回までなら正常?

いちばん知りたいのはここだと思います。

正直に書くと、「1日◯回まで」という決まった数字はありません。 他の記事では「1日5回以上なら注意」のように書かれていることもありますが、実際の飼育では個体差と日ごとの差が大きすぎて、その線引きはあまり役に立ちません。

健康なウパちゃんでも、まったく息継ぎをしない日があります。逆に、同じ子が10回以上上がってくる日もあります。水温、水の汚れ具合、その日の活動量で変わります。

なので、判断の軸はこうなります。

> 回数そのものではなく、「昨日までと比べてどうか」

ここだけ見てください。5回だから安心、15回だから危険、ではありません。いつも2〜3回の子が急に15回になったら異常で、いつも10回の子が今日も10回なら正常です。

数える習慣をつけると判断が早くなります

とはいえ「いつもと比べる」ためには、いつもを知らないといけません。

おすすめは、餌の時間の前後10分だけ観察して、スマホのメモに数字を残しておくことです。毎日やる必要はありません。週に2回でも、1ヶ月続ければ自分のウパちゃんの平常値が見えてきます。

よく観察する ウーパールーパー研究所

わたしはこれを面倒がってやっていなかったので、実際に息継ぎが増えたとき「増えた気がするけど、元がどれくらいだったっけ」と分からなくなりました。数字を残しておくだけで、迷う時間がなくなります。

ちなみにうちの子は、春から秋の落ち着いている時期で餌の前後10分に2〜3回です。去年の夏、水温が26℃まで上がった日は同じ10分で11回まで増えました。エアコンを入れて水温を21℃まで戻したら、翌日には4回に落ち着きました。数字で見えていたので、水温が原因だと迷わず判断できたんです。

息継ぎが増えたときに疑う4つの原因

急に増えたなら、たいていこの4つのどれかです。上から順に確認してください。

① 水温が上がっている

いちばん多い原因です。水温が上がると、水に溶けられる酸素の量そのものが減ります。 ウパちゃんが悪いのではなく、水が酸素を持てなくなっているんです。

しかも高水温は代謝を上げるので、必要な酸素量は逆に増えます。減った供給と増えた需要で挟み撃ちになる、というのが夏に息継ぎが増える理由です。

まず水温を測ってください。23℃を超えていたら、それが原因である可能性がいちばん高いと考えてください。25℃を超えているなら、ほぼ間違いなく水温が主犯です。

② 水が汚れている

見た目が透明でも、アンモニアや亜硝酸がたまっていることがあります。水質が悪化するとエラがダメージを受け、エラ呼吸の効率が落ちます。その分を肺で補おうとして、水面に上がる回数が増えます。

最後に水換えをしたのはいつでしたか。1週間以上空いているなら、まずそこを疑ってください。

数字で確認したいなら試験紙が早いです。水につけて色を見るだけで、亜硝酸・硝酸塩・pHの状態が分かります。

ひとつ注意です。この手の試験紙にアンモニアの項目は入っていません。 亜硝酸が出ていればろ過が追いついていないと判断できるので実用上は足りますが、アンモニアそのものを測りたい場合は専用の試薬が別に必要になります。

③ お腹にガスがたまっている

これはぷかぷか病と呼ばれる状態です。消化不良で腸や胃にガスがたまると、体が浮きやすくなります。

このケースは息継ぎとは動きが違います。自分の意思で上がってきて自分で沈んでいくのが息継ぎ、沈みたいのに沈めないのがぷかぷか病です。 水面でぷかぷかしたまま、傾いた姿勢で戻れなくなっていたら、こちらを疑ってください。

水面に浮いて潜れなくなる ウーパールーパー研究所

詳しい対処はぷかぷか病の記事にまとめています。

④ エラの機能が落ちている

エラが縮んでいたり、色が薄くなっていたりすると、エラ呼吸で取り込める酸素が減ります。その不足分を肺で補うために、息継ぎが増えます。

水槽のガラス越しでいいので、左右のエラを見比べてください。片方だけ短い、赤みがない、房が寝てしまっている。そういう変化があればエラが縮む原因の記事を確認してください。

息継ぎ以外にこのサインが出たら危険です

息継ぎが増えているだけなら、まだあわてる段階ではありません。

危ないのは、次のサインが同時に出ているときです。ひとつでも当てはまるなら、様子見ではなく対処に移ってください。

  • エラが縮んでいる、赤みが薄い(酸素を取り込めていないサイン)
  • 体が傾く、まっすぐ泳げない(浮力の異常)
  • 水面に張りついたまま沈まない(ぷかぷか病の可能性)
  • 餌を食べない日が続いている
  • 口を常にパクパクさせている(水中でも呼吸が追いついていない)
  • 体色が全体的に薄くなった

最後のふたつは見落としやすいです。とくに口の動きは、水面ではなく水底にいるときに見てください。 底にいるのにパクパクが止まらないなら、水中の酸素が足りていない可能性が高いです。

3つの酸素対策 ウーパールーパー研究所

今日できる対処|順番があります

原因が特定できていなくても、この順番でやれば多くのケースは落ち着きます。

1. 水温を測る(今すぐ)

23℃を超えていたら、まずここから手をつけてください。 いちばん確実なのはエアコンです。

日中は仕事で家を空けるので付けっぱなしにできない、という方も多いと思います。わたしもそうでした。その場合は冷却ファンを併用しますが、期待値は正しく持ってください。ファンで下がるのは2〜3℃です。

室温が28℃を超える部屋なら、ファンだけでは適温に届きません。留守中だけでもエアコンを弱く回しておくほうが確実です。

なお、凍らせたペットボトルを入れるのはおすすめしません。 入れた直後に急に下がり、溶けると戻るので、水温が一日中乱高下します。急な温度変化はそれ自体がウパちゃんの負担になります。緊急時の一時しのぎと割り切ってください。

2. 水を1/3換える(今日中に)

全部換えないでください。急激な水質変化はかえって負担になります。カルキを抜いた水を、水温を合わせてからゆっくり入れます。

頻度は3〜4日に1度が目安です。 息継ぎが増えているあいだは少し多めにして、落ち着いたら通常のペース(週1回、1/3程度)に戻します。毎日全換水するようなことはしないでください。

3. エアレーションを足す(今日〜明日)

水面が揺れていれば酸素は溶け込みますが、それだけでは足りていないから息継ぎが増えているわけです。エアポンプがないなら、これを機に用意してもいいと思います。

ウパちゃんは強い水流が苦手なので、エアストーンで気泡を細かくして、勢いを散らしてあげてください。 泡が太いと水流も強くなります。

4. 2〜3日観察する

ここまでやって、息継ぎの回数が戻ってくれば水質か水温が原因だったということです。

変わらない、または増え続けるなら、体のほうに原因があります。動物病院の探し方を確認して、受診できる病院を調べてください。

こういう息継ぎは心配いりません

逆に、増えていても様子を見ていい場面もあります。

餌の直後

消化にはエネルギーが要るので、酸素の消費量が一時的に上がります。食後しばらく息継ぎが増えるのは自然な反応です。

水換えの直後

水質が変わった直後は落ち着かなくなることがあります。数時間で戻れば問題ありません。

お迎えして間もないとき

環境が変わったストレスで、呼吸も行動も普段と違います。1週間ほどかけて落ち着いていきます。

活発に動いたあと

水槽の中を泳ぎ回ったあとは、人間が走ったあとと同じで酸素を多く使います。

いずれも共通しているのは、きっかけがあって、時間が経てば戻るという点です。きっかけが思い当たらず、何日も戻らないときだけ心配してください。

よくある質問

息継ぎのとき、水面で口を開けたまま止まっています。大丈夫でしょうか?

一瞬パクッとして沈むのが通常の息継ぎです。口を開けたまま水面に留まっている、あるいは何度も繰り返して沈まないようであれば、通常の呼吸とは違う状態を疑ってください。水温と水質をまず確認し、エラの色と体の傾きも見てあげてください。数分で終わらず続くようなら、水換えとエアレーションで対処します。それでも半日以上、水面に張りついたまま沈めない状態が続くなら、様子見をやめて受診に切り替えてください。 浮力の異常は自然に治らないことがあります。

エアレーションを入れているのに息継ぎが減りません。なぜですか?

水温が高いときは、エアレーションだけでは追いつかないことがあります。水温が上がると水に溶ける酸素の上限が少し下がり、同時にウパちゃんの代謝が上がって必要な酸素量が増えるためです。供給が減って需要が増えるので、泡を足しても差が埋まりきりません。

ただしエアレーションが無意味になるわけではないので、止めないでください。 高水温のときこそ効いています。足りていないだけです。順番としては、エアレーションは続けたまま水温を下げるのが正解です。それでも改善しない場合は、エラや内臓に原因がある可能性を考えます。

夜になると息継ぎが増える気がします。気のせいでしょうか?

気のせいではないかもしれません。ウパちゃんは薄暗い時間帯のほうが活発になる傾向があり、動けばそのぶん酸素を使います。また水草を入れている場合、夜間は光合成が止まって水草も酸素を消費するため、明け方に向けて水中の酸素が減っていきます。夜だけ増えて日中は普通なら、まずは正常な範囲と考えて大丈夫です。

まとめ

  • 水面に上がって空気を吸うのは正常な行動。ウパちゃんはエラ・肺・皮膚の3つで呼吸しています
  • 「1日何回まで」という基準はありません。 判断軸は「いつもと比べて急に増えたか」だけです
  • 適水温は15〜20℃。危ないのは25℃からではなく、23℃を超えたあたりからです
  • 増えたときに疑うのは①水温 ②水質 ③ぷかぷか病 ④エラの不調の4つ
  • 息継ぎ単独なら様子見でよく、エラの縮み・体の傾き・拒食が重なったら対処に移る
  • 対処の順番は水温を測る → 1/3水換え → エアレーション → 2〜3日観察
  • 餌の後・水換え直後・お迎え直後に増えるのは自然な反応です

心配になって数えてしまう気持ち、よく分かります。でも、その観察こそがいちばん確実な健康チェックです。ふだんの回数を知っている飼い主さんは、異変にいちばん早く気づけます。

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この記事を書いた人

不思議な生態と愛くるしい姿に魅了され、飼育から歴史、遺伝まで、あらゆる情報を収集・分析することに没頭しています。 巷にあふれる「なんとなくの情報」ではなく、根拠に基づいた正しい飼育知識と、ウーパールーパーの深い魅力を体系化するために当サイトを設立しました。 夢は、日本一詳しいウパのデータベースを作ること。

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