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「飼おうと思って探しているのに、どこにも売っていない」
とくに夏にこの状態になった方、多いと思います。実際、先日も読者の方から「7月から9月までの3ヶ月、スーパーブラックがまったく販売されていない。時期的なものでしょうか」というご質問をいただきました。
結論から言うと、時期的なものです。 そしてこれは毎年くり返されています。
ただし、カラーによって事情が少し違います。通常カラーなら待てば出てきますが、レアカラーは「待つ」だけでは会えません。
この記事では、なぜ品薄になるのかを繁殖のサイクルから説明したうえで、カラー別にいつ、どう動けばいいかを整理します。
なぜ夏に売っていないのか
理由は単純で、繁殖のサイクルがそうなっているからです。
ウーパールーパーの繁殖は、水温が下がる時期に体を作り、水温が上がりはじめると産卵する、という流れで進みます。ブリーダーはこれに合わせて計画的に殖やしています。
だいたい、こういう1年になります。
| 時期 | ブリーダー側で起きていること |
|---|---|
| 11月〜1月 | クーリング(水温を下げて繁殖の準備) |
| 2月〜5月 | 水温が上がりはじめて産卵 |
| 3月〜5月 | 孵化して、稚ウパを育てる期間 |
| 5月〜6月 | 育った個体が出回る(販売のピーク) |
| 7月〜9月 | 春生まれはほぼ出尽くし、次の繁殖は冬待ち |
| 10月〜11月 | 春生まれの残りが育って、若い個体として再び出てくる |
7月から9月は、ちょうど谷間にあたります。
繁殖の流れそのものは繁殖ガイドの記事に詳しく書きました。飼育者向けの手順ですが、ブリーダーも同じサイクルで動いていると考えると分かりやすいと思います。
もうひとつ、夏には夏の事情があります
サイクルの谷間に加えて、夏は輸送そのものが難しい時期です。
ウパちゃんは高水温に弱いので、真夏の配送はブリーダーもショップもリスクを避けたがります。店側にとっても、夏に在庫を抱えると水温管理の負担が大きくなります。
「入荷しない」のではなく「あえて入荷を控えている」という面もあるわけです。
年間カレンダー|いつ動けばいいか
買う側から見ると、こうなります。
- 3月〜4月 … 少しずつ出はじめる。レアカラーの予約を入れるならこの前
- 5月〜6月 … いちばん選択肢が多い時期。幼体が中心
- 7月〜9月 … 品薄。輸送リスクもあるので、無理に探さないほうが無難
- 10月〜11月 … 育った個体が出てくる。水温も安定していて狙い目
- 12月〜2月 … 数は減るが、水温の面では悪くない
探すなら5〜6月か、10〜11月。この2つの山を覚えておけば十分です。
うちのウパちゃんをお迎えしたのは5月でした。当時はそんなことを知らずに探していたのですが、いま思えばいちばん選びやすい時期に当たっていたんだと思います。店頭に何匹も並んでいて、その中から元気そうな子を選べました。
なお、これは「手に入りやすさ」の話です。初めて飼う方にとっての向き不向きは少し違うので、そちらはいつ買うのがいいかの記事を見てください。
カラー別|どこで探せば見つかるか
ここが本題です。カラーによって、探す場所がまったく違います。
ホームセンターや総合ペットショップで会える
- リューシスティック(白い体に黒い目)
- アルビノ(白〜クリーム色に赤い目)
- ゴールデン(黄金色。アルビノの一型で、ゴールデンアルビノとも呼ばれます)
このあたりは繁殖が安定していて流通量も多いので、シーズンになれば近所の店でも見かけます。

専門店を回れば見つかる
- マーブル(野生型に近い黒褐色。まだら模様が入ります)
- ブラックメラノイド(黒系。虹色素胞を持たないため金色のラメが乗らず、黒が濁りません)
両生類・爬虫類の専門店なら扱っていることがあります。ただし常時いるわけではないので、何軒か回るか、入荷情報をチェックする必要があります。

予約が前提になる
- ダルメシアン
- スーパーブラック
ここが冒頭のご質問の答えになります。この2つは、季節を待っても店頭に並ぶとは限りません。
なぜ並ばないのか、理由を具体的に書きます。
スーパーブラックは、スーパーブラック同士を掛け合わせないと出にくいとされています。しかもその親個体そのものが少ない。つまり「たまたま黒い子が生まれる」ことを期待するのではなく、親を持っているブリーダーのところにしか出てこない、という構造です。
ダルメシアンのほうは、色素細胞の散らばり方で決まるため遺伝的に固定しにくく、同じ親から必ず生まれるわけではありません。
ここから、ひとつ具体的な行動が導けます。専門店やブリーダーに聞くときは、「スーパーブラックの親個体はお持ちですか」と尋ねてみてください。 持っていれば次の繁殖に期待できますし、持っていなければその店で待っても出てこない可能性が高い、という判断ができます。
体色が決まる仕組みは色素胞と遺伝の記事に、カラーごとの特徴はレアカラーの記事にまとめています。
レアカラーは「待つ」より「逃さない」
考え方を変えたほうがうまくいきます。
通常カラーは「シーズンを待つ」でいいのですが、レアカラーは「出たときに逃さない」が正解です。
理由は、店頭に並ぶ前に売れてしまうことがあるからです。常連さんや、あらかじめ希望を伝えていた人に先に連絡が行く。これは意地悪ではなく、店としても確実に引き取ってもらえる相手に声をかけるほうが安心だからです。
つまり、その「連絡が行く側」に入っておくことが、いちばん確実な方法になります。
待てない場合の、現実的な妥協案
とはいえ「半年も待てない」という気持ちも分かります。半年探して見つからないなら、なおさらです。
ひとつ提案があります。ブラックメラノイドで手を打つ、という選択です。
スーパーブラックとブラックメラノイドは、はっきり別物というより、同じ系統の中での黒の濃さの違いです。並べれば差は分かりますが、単体で見ればブラックメラノイドも十分に黒く、しかも虹色素胞がないので金色のラメが乗りません。
そしてブラックメラノイドは、専門店を回れば見つかります。待ち時間がまったく違います。
実物を見比べてから決めたいなら、即売会に行くのがいちばん早いです。複数のブリーダーの個体が並ぶので、黒の濃さの違いをその場で確認できます。
わたしも写真だけ見て「これがいい」と思っていた色が、実物を見たら想像と違った経験があります。黒系はとくに、照明の当たり方で見え方が変わります。
入荷連絡の依頼のしかた
「入荷したら連絡してください」とだけ伝えても、正直あまり連絡は来ません。店の側も、誰に何を連絡すればいいか分からないからです。
伝えておくと連絡が来やすくなるのは、次の内容です。
① 欲しいカラーを具体的に
「黒っぽいの」ではなく「スーパーブラック」「ブラックメラノイド」と品種名で伝えます。どこまで妥協できるかも一緒に言っておくと、店は判断しやすくなります。
② サイズの希望
幼体がいいのか、ある程度育った個体がいいのか。初めて飼うなら10cm以上をおすすめします。
③ 予算の上限
言いにくいかもしれませんが、これを伝えておくと無駄な連絡が減ります。お互いのためです。
④ 連絡手段
LINEで入荷情報を流している店が増えています。公式アカウントがあれば登録しておくのがいちばん早いです。
⑤ すぐ引き取れるかどうか
これが実は大きいです。「連絡をもらったら1週間以内に取りに行けます」と言える人と、「準備ができていないので待ってください」という人では、店の対応が変わります。
⑥ いつまで待てるか
「来年の春まで待てます」と伝えておけば、次のシーズンの繁殖分を回してもらえることがあります。

複数の店に同時に依頼して構いません。ただし実際に連絡が来たら、断るにしても必ず返事をしてください。 次につながります。
予約する前に、水槽を用意してください
順番の話です。
先に水槽を立ち上げておいてください。 理由は2つあります。
ひとつは、前に書いたとおり「すぐ引き取れる」と言えるほうが連絡をもらいやすいからです。
もうひとつは、水槽が使えるようになるまで時間がかかるからです。連絡をもらってから慌てて買いに行くと、立ち上がっていない水槽に迎えることになります。
ここで大事な注意があります
「水を入れてフィルターを1ヶ月回しておけばいい」と書かれているのをよく見ますが、これだけではバクテリアはほとんど増えません。
バクテリアはアンモニアを分解して生きています。つまりアンモニアが発生していない水槽では、増える理由がないんです。空っぽの水槽でフィルターを回し続けても、1ヶ月後に待っているのはただの水です。
わたしも最初の水槽で、これを知らずに2週間ほど空回ししました。「もう大丈夫だろう」と迎えたあと、水が白く濁って慌てたのを覚えています。
必要なのは、アンモニアのもとになるものです。現実的なのは次の2つ。
- 種ろ材をもらう(買う店に「ろ材を少し分けてもらえませんか」と聞いてみてください。いちばん早いです)
- 餌をひとつまみ入れて放置する(腐敗してアンモニアが出ます。地味ですが確実です)
熱帯魚では小型魚を先に入れる方法もありますが、ウパちゃんは口に入るものを食べてしまうので向きません。
この作業も含めて、準備には1ヶ月みておいてください。 手順はお迎えセットの記事にまとめています。
なお水温計は、水槽より先に買っておいても損はありません。立ち上げ中の水温を把握できますし、最高最低を記録するタイプなら、お迎え後に留守中どこまで上がったかも分かります。夏の管理がかなり楽になります。

即売会という選択肢もあります
もうひとつ、店舗以外の入手先があります。
爬虫類・両生類の展示即売会は、年間を通じて全国各地で開かれています。先ほど「夏は探さないほうが無難」と書きましたが、イベントはこの限りではありません。 大きなものは夏にも開催されていて、そこにはブリーダーが直接個体を持ち込みます。
レアカラーを探しているなら、とくに覚えておきたいのがぶりくら市(神戸)ととんぶり市(東京)です。
この2つは「国内で繁殖された個体の流通を確立する」という趣旨で開かれていて、出品者は自家繁殖を証明する記録の提出を求められます。つまりブリーダー本人から直接買える場です。両生類も対象に含まれています。
そのほか、静岡・東京・札幌などで開かれる大規模なイベントもあります。開催日程は毎年変わるので、「爬虫類 イベント」と年で検索するとまとめているサイトが見つかります。
即売会の利点は、普段お店に並ばないような個体に会えることです。その場でブリーダーに「次の繁殖の予定はありますか」と聞けるのも大きいと思います。
注意点は2つ。
- 会場の雰囲気で衝動買いしやすいので、水槽の準備は必ず先に
- 夏開催のイベントは持ち帰りの温度に注意。 発泡スチロールの箱と保冷剤を持参してください

よくある質問
- 通販で買っても大丈夫ですか?
-
大丈夫です。爬虫類は対面での説明が法律で義務づけられていますが、ウーパールーパーは両生類なので、この規定の対象外です。実際に通販で扱っている専門店はたくさんあります。
ただし、この「対象外」には裏の面もあります。両生類だけを扱う店には、動物取扱業の登録義務もかかりません。つまり公的な基準で選別されていないので、店が信頼できるかどうかは自分で見極めるしかありません。 レビューや飼育環境の写真、質問への答え方をよく見てください。ただし実物を見て選べないことと、輸送中のストレスは避けられません。真夏と真冬の配送だけは避けてください。 詳しくはどこで買えるかの記事に書いています。
- 品薄の時期は値段も上がりますか?
-
極端に変動することは少ないですが、数が少なければ強気の価格になることはあります。またレアカラーは、もともと通常カラーより高めです。相場は値段の記事にまとめています。急いでいないなら、シーズンを待ったほうが選択肢も多く、価格も落ち着いています。
- 予約したら、キャンセルはできますか?
-
店によりますが、予約金を払っている場合は返らないことが多いです。生体の予約は、店側もその個体を他の人に売らずに確保しています。安易な予約は避けて、本当に迎えられる状態になってから依頼してください。逆に言えば、それだけ真剣な相手だと分かるからこそ、店も優先して連絡をくれます。
まとめ
- 夏(7〜9月)に品薄になるのは毎年のこと。繁殖サイクルの谷間にあたります
- 加えて夏は輸送リスクが高く、あえて入荷を控えている面もあります
- 探すなら5〜6月(いちばん多い)か、10〜11月(育った個体が出る)
- リューシ・アルビノ・ゴールデンは近所の店でも会えます
- マーブル・ブラックメラノイドは専門店を回る
- ダルメシアン・スーパーブラックは季節を待っても並びません。予約が前提です
- レアカラーは「待つ」より「出たときに逃さない」。連絡が来る側に入っておくこと
- 依頼するときは品種名・サイズ・予算・連絡手段・すぐ引き取れるかを伝える
- 水槽は先に立ち上げておく。 安定まで1ヶ月かかります
見つからない時期に焦って妥協するより、シーズンまで待って準備を整えるほうが、結果的にいいお迎えになると思います。
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