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ウパちゃんを連れて帰った日の夜。水槽の前に座って、ずっと見ていませんか。
動かない。餌も食べない。水槽の前で手を動かしても反応がない。これで大丈夫なんだろうかと、何度も検索してしまう。
わたしもそうでした。初日は30分おきに様子を見に行って、翌朝には「もう死んでしまったのでは」と本気で心配しました。結果から言うと、ただじっとしていただけでした。
お迎えから最初の2週間は、飼育の中でいちばん不安な時期です。 そして実は、いちばん失敗が起きやすい時期でもあります。
ただ、失敗の多くは「ウパちゃんが弱っていたから」ではありません。よかれと思ってやったことが原因なんです。
この記事では、最初の2週間に何をして、何をしないかを順番にまとめます。
もう迎えてしまった方へ|今夜、まず水温を測ってください
すでにお迎えしていて「動かない」「食べない」で検索された方は、ここから読んでください。
原因でいちばん多いのは、水温です。
ウパちゃんの適温は15〜20℃。23℃を超えると負担がかかり、25℃を超えると病気のリスクが上がります。暖房の効いた部屋や、日当たりのいい場所に水槽を置いていると、季節に関係なく超えていることがあります。
- 23℃以上だった … まず水温を下げてください。餌や水換えより先です
- 15〜20℃だった … 水温は問題なし。この先を読み進めてください
- 水温計がない … いちばん先に用意してください。何度か分からないと、この記事の内容も判断できません
最高最低を記録するタイプなら、留守のあいだに何度まで上がったかも分かります。夏と冬の管理がかなり楽になるので、最初の1本におすすめです。
下げ方は水温が上がりすぎたときの記事にまとめました。
お迎え初日にやること
連れて帰ってから、水槽に入れるまでの話です。
① 袋のまま、水槽に浮かべる(15〜30分)
水温を合わせるためです。いきなり移すと、体温がそのまま変わることになります。ウパちゃんは変温動物なので、水温の急変がそのまま体への負担になります。
② 袋を開けて、中身を別の容器に移す
バケツでもプラケースでも構いません。袋のままだと次の作業ができないので、ここで移します。移した容器も、水槽に浮かべておくか、すぐ横に置いて水温が逃げないようにしてください。
③ 容器の水を1/3捨てて、水槽の水を足す
10分ほど待って、もう2〜3回くり返します。これで水質も少しずつ近づきます。

④ ウパちゃんだけをすくって、水槽に移す
お店の水は水槽に入れないでください。 他の個体と一緒にいた水なので、持ち込みたくないものが入っていることがあります。
⑤ あとは、そっとしておく
ここからが本番です。ライトを消して、水槽の前から離れてください。
全部で1時間ほどかかりますが、ここを丁寧にやるかどうかで最初の数日が変わります。
餌はいつからあげるか
いちばん多い質問です。答えははっきりしています。
体の大きさで変わります。
- 成体(10cm以上) … 2〜3日はあげなくて大丈夫です
- 幼体(10cm未満) … 翌日から1粒だけ試してください。食べなければ回収します
幼体は体力の蓄えが少ないので、成体と同じようには構えられません。ただし無理に食べさせる必要はないので、「毎日1粒だけ置いてみる」くらいの気持ちでいてください。
「お腹を空かせているのでは」と思うかもしれません。でも、環境が変わった直後のウパちゃんは、そもそも食べる気になりません。 警戒している状態です。
ここで餌を入れると、どうなるか。食べ残しが底に沈んで腐ります。水が汚れるだけで、何もいいことがありません。
3日目以降、少量から試す
落ち着いてきたら、少しずつ試します。
- 最初は1〜2粒(または赤虫を少し)から
- 食べなければ、その日は回収して終わり
- 翌日また試す
食べ残しは必ず取り除いてください。 これだけは毎回です。
何日まで待てるか|成体は1週間、幼体は4〜5日
健康な成体なら、数日から1週間食べなくても持ちこたえます。環境に慣れるまで食べない子は珍しくありません。
ただし幼体(10cm未満)は違います。 4〜5日食べないようなら、餌の種類を変えてみるか、水温と水質を疑ってください。それでも食べなければ、相談できる病院を探しはじめたほうがいい段階です。
餌の量と頻度はこちらの記事にまとめています。

動かないのは、たいてい普通です
ここも心配になるところです。
お迎え直後のウパちゃんは、隠れ家の中や水槽の隅でじっとしていることがほとんどです。何時間も同じ場所から動かないこともあります。
しかもウパちゃんは薄暗い時間に活発になるので、人が起きている時間はあまり動きません。 朝起きたら向きが変わっていた、という程度のことはよくあります。
わたしの家の子も、最初の3日はシェルターから出てきませんでした。4日目の朝に水槽の反対側にいて、「ちゃんと動いてる」とほっとしたのを覚えています。
ただし、この3つは見てください
動かないこと自体は普通でも、次のサインが重なるときは別です。
- エラが縮んでいる、色が白っぽい(黒い個体は見えにくいので明るいところで)
- 体が傾いている、横倒しになっている
- 水槽の外から手をかざしても、まったく反応がない
ひとつでも当てはまるなら、弱っているときの対処を確認してください。
最大の山場は、水槽がまだ「立ち上がっていない」こと
ここが本題です。最初の2週間でいちばん危ないのは、実はこれです。
何が起きているのか
水槽には、フンや食べ残しから出るアンモニアを分解してくれるバクテリアが必要です。これが定着した状態を「立ち上がった」と言います。
問題は、その定着に1ヶ月ほどかかることです。
お店で水槽と生体を同時に買ってきた場合、水槽はまだ空っぽの状態です。つまり最初の1ヶ月は、ろ過がほとんど効いていない水槽でウパちゃんを飼うことになります。
アンモニアは目に見えず、匂いもしません。それでいて、ウパちゃんを確実に弱らせます。「お迎えしてから元気がない」の原因が、これであることは少なくありません。
やることは、ひとつだけです
毎日、水の1/3を換えてください。
バクテリアが足りないぶんを、水換えで薄めて補う。これが立ち上げ中の管理です。
- カルキを抜いた水を使う
- 水温を合わせてから入れる(差は2℃以内に)
- 一度に全部換えない
カルキ抜きは毎日使うことになるので、少し多めのサイズを選んでおくと買い足しの手間が減ります。
1ヶ月ほど続ければ、バクテリアが定着して水換えの頻度を落とせます。 そこからは週1回のペースで大丈夫です。

フィルターがない場合
ホームセンターのセットには、フィルターが入っていないことがあります。「ぶくぶく(エアレーション)だけ」という構成です。
エアレーションは酸素を送るものであって、ろ過はしていません。 フィルターがないと、バクテリアが住みつく場所そのものがない状態です。
投げ込み式の小さなものでも構わないので、入れてあげると管理がかなり楽になります。
投げ込み式は水流が弱く、強い流れが苦手なウパちゃんに向いています。設置も水槽に沈めるだけなので、初めてでも迷いません。
フィルターの種類と選び方はこちらの記事にまとめました。
最初の2週間、やってはいけないこと
よかれと思ってやりがちなことを挙げます。
① 何度も様子を見に行く、つつく
気持ちは分かります。わたしもやりました。でも人の気配はストレスになります。 1日2回、餌のときと水換えのときだけにしてください。
② ライトを長時間つける
ウパちゃんは光が苦手です。観察のために明るくしたくなりますが、最初の2週間は暗めのほうが落ち着きます。
③ 食べないからと餌を増やす
逆効果です。食べ残しが増えて水が汚れ、さらに食欲が落ちます。
④ 水を全部換える
「汚れたからきれいに」と全換水すると、せっかく増えはじめたバクテリアまで流してしまいます。1/3までにしてください。
⑤ 砂利を敷いたままにする
これは今夜のうちに確認してほしいところです。
ホームセンターの水槽セットには、砂利やカラーサンドが入っていることがよくあります。買ったときに一緒に敷いた方も多いと思います。
ウパちゃんは、目の前にあるものを餌ごと吸い込みます。 餌と一緒に砂利を飲み込んで、消化管に詰まる事故が実際に起きています。とくに体が小さいうちは、ひと粒でも詰まりの原因になります。
15cm未満の個体を飼っているなら、砂利は取り出して、底に何も敷かない状態(ベアタンク)にしてください。 見た目は寂しくなりますが、安全ですし、フンも見つけやすくなって管理が楽です。
どうしても敷きたい場合は、口に入らない大きさの石にするか、飲み込んでも排出されやすい細かい砂に替えます。詳しくは底砂の記事にまとめました。
⑥ 水草やマリモを入れる
意外と見落とされます。ウパちゃんは、目の前にある口に入るものを飲み込みます。
水草自体に毒はなく、消化されずにフンと一緒に出ることが多いのですが、マリモのような塊は量が多くなります。 消化管の負担になりますし、水草についた寄生虫を持ち込む可能性もあります。
最初の2週間は、水槽をできるだけシンプルにしてください。 隠れ家と、必要ならフィルターだけで十分です。レイアウトは落ち着いてからで遅くありません。

2週間を過ぎたら
次の状態になっていれば、ひとまず安定したと考えていいです。
- 餌を食べるようになった
- フンがきちんと出ている
- 水槽の中を動き回る様子が見られる
- エラがフサフサと広がっている
ただし、水換えはまだ減らさないでください。 2週間はあくまで「ウパちゃんが環境に慣れた」目安であって、水槽が立ち上がった目安ではありません。
毎日1/3の水換えは、お迎えから1ヶ月まで続けてください。そこから週1回に落とします。
このあたりから、隠れ家を増やしたり、レイアウトを考えたりする余裕も出てきます。
よくある質問
- お迎えして3日たちますが、まだ一度も餌を食べません。大丈夫でしょうか?
-
3日ならまだ様子を見て大丈夫です。環境が変わった直後は食べない子が多く、1週間ほどかかることもあります。まず水温を確認してください。15〜20℃から外れていると、それだけで食欲が落ちます。あわせて、水槽の周りが明るすぎないか、人の出入りが多くないかも見てみてください。幼体の場合は4〜5日を目安に、餌の種類を変えてみるのもひとつの方法です。
- お店で「水換えは週1回でいい」と言われましたが、毎日必要ですか?
-
週1回というのは、水槽が立ち上がったあとの話です。お迎えしたばかりの水槽にはバクテリアがいないので、最初の1ヶ月だけは毎日1/3を換えてください。手間に感じるかもしれませんが、この時期を乗り切れば一気に楽になります。逆にここを省くと、アンモニアが溜まって体調を崩す原因になります。
- うんちが出ているかどうか、どう確認すればいいですか?
-
毎日水換えをしていれば、そのときに気づきます。底に細長い塊があればフンです。ウパちゃんは体の大きさのわりにフンが大きいので、見逃すことは少ないと思います。餌を食べているのに数日フンが出ない場合は、消化が追いついていない可能性があるので、一度餌を止めて様子を見てください。
まとめ
- 初日は水合わせを1時間かけて、そのあとはそっとしておく
- 餌は2〜3日あげない。 落ち着いてから1〜2粒ずつ試す
- 動かないのは、たいてい普通。ただしエラの縮み・体の傾き・無反応が重なったら別です
- 最大の山場は水槽が立ち上がっていないこと。最初の1ヶ月は毎日1/3の水換えで補う
- エアレーションはろ過ではありません。フィルターがないなら足したほうが楽です
- やってはいけないのは、構いすぎ・明るくする・餌を増やす・全換水・水草を入れる
- 2週間食べてフンが出ていれば、ひとまず安定。水換えを減らしていけます
最初の2週間は、何もしないことがいちばんの世話になります。心配で覗きたくなると思いますが、少し我慢してみてください。
落ち着いてから水槽の前に座ると、ゆっくり歩きまわる姿が見られるようになります。
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