玄関に箱が届いた。中でどうなっているか分からないまま、早く出してあげたい。その気持ちは痛いほど分かります。
でも、袋を開ける前に30秒だけ待ってください。その30秒が、ウパちゃんを守ることにも、万一のときの保証にもつながります。
生体の通販には、ほとんどの店が死着保証をつけています。ただし条件は店ごとにかなり違います。連絡の期限が到着後24時間の店もあれば、6時間、1時間という店もあります。「袋を開ける前の写真」を条件にしている店や、開封後の写真では対象外と明記している店もあります。
この記事では、箱が届いた瞬間から順番に、何を撮って、どこで判断して、いつ連絡するかを整理します。弱っているけれど生きている場合の受け入れ方もまとめました。
いま箱が目の前にある方は、次の章は飛ばして「箱を開けたら、袋を開ける前に撮る」から読んでください。
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箱が届く前にやっておくこと
まず最優先で、置き配と宅配ボックスの設定を解除してください。生体の箱が玄関前に数時間置かれると、夏も冬も致命的です。しかも配送の遅延や不在による状態悪化を保証の対象外としている店は多いので、受け取れなかった時点で補償も難しくなります。受け取る日時は、確実に在宅できる時間を指定します。
次に、水槽を先に立ち上げておくことです。生体が届いてから水槽を用意すると、立ち上がっていない水槽に迎えることになります。バクテリアが増えるには時間がかかるので、注文より前から準備を始めておくのが理想です。手順は飼う前の準備にまとめています。
当日は、次のものを玄関の近くに出しておきます。
- スマホ(充電を確認。フラッシュは切っておく)
- 水温計(袋を開けたあとすぐ測れるように)
- バケツかプラケース(水合わせに使います)
- カルキ抜き剤と、汲んでおいた水
- 手を拭くタオル
それから、注文した店の保証条件のページを、スマホでブックマークしておいてください。期限が何時間なのか、写真は開封前なのか、連絡はメールか電話か。届いてから探すと、読んでいる間に期限が進みます。
箱を開けたら、袋を開ける前に撮る
外箱を開けるのは問題ありません。開けないでほしいのは、ウパちゃんが入っている袋のほうです。
死着保証の条件に「開封前の写真」を求める店が多いからです。店からすれば、輸送中に起きたことなのか届いてからのことなのかを判断する材料が写真しかないので、ここは厳しく見られます。
撮る前に、スマホのフラッシュを切ってください。暗い玄関では自動で光ります。ウパちゃんは強い光が苦手なので、弱っているときほど避けたいです。
撮っておきたいのは次の4つです。
- 外箱全体と、配送伝票(日時が写るように)
- 箱を開けた状態の梱包(緩衝材がどう入っていたか)
- 保冷剤や保温剤の状態(溶けきっていないか、冷たさが残っているか)
- 袋を開けずに、中の個体がはっきり写るもの

スマホで撮るだけなので、慌てなければ30秒かかりません。動画も撮っておくと、動いているかどうかが残ります。必須としている店は見かけませんが、あって困るものではありません。
それから、外箱と梱包材、保冷剤も捨てないでください。梱包の不備が話に出たとき、現物が残っているかどうかで話が変わります。やり取りが終わるまで取っておきます。
袋の中を見て、動いているかどうかで分かれる
撮り終えたら、袋越しに様子を見ます。
動いているかどうかは、体全体が泳いでいるかで判断しなくて大丈夫です。輸送のあとは、底に横たわったまま動かないことのほうが普通です。袋は開けられないので、目で分かることだけを見ます。
- エラがゆっくりでも動いているか
- 手足の指先がわずかに震えたり、曲がったりするか
- 体の色が極端に白っぽい、または黒ずんでいないか
- 袋の水が濁っていないか、糞や吐き戻したものが浮いていないか
横たわっているから亡くなっている、ということにはなりません。低水温で動きが鈍っているだけのことが多いです。
ここから先は2つに分かれます。動いている場合は、保証の手続きより先に水合わせを始めてください。1分でも早く安定した環境に移るほうが大事です。写真はもう撮ってあるので、落ち着いてから連絡すれば間に合います。
動いていない場合は、ここで判断しようとしないでください。次の章に進みます。
「生きているか分からない」ときほど、先に連絡する
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
ウパちゃんは、動かなくても生きていることがあります。低水温で動きが鈍っているだけ、ということは珍しくありません。だから本来は、水温を適温に戻して半日から1日ほど様子を見てあげたい。生死の見分け方は死んでしまったら|生死の確認とお別れの手順にまとめてあります。
ところが、死着保証には期限があります。多いのは到着後24時間以内ですが、6時間、1時間という店も実際にあります。
つまり「様子を見てから連絡しよう」と考えると、生きていた場合はいいのですが、やはり亡くなっていたときには期限を過ぎてしまうんです。
ですから、順番を逆にしてください。判断がつかない時点で、先に店に連絡します。
「到着時にこういう状態でした」と期限内に伝えておけば、そのあと元気を取り戻したときは「無事でした」と追って連絡すればいいだけです。店にとっても悪い知らせではありません。まだ生きているかもしれないのに死着の連絡をするのは気が引ける、と感じるかもしれませんが、状態の共有だと思ってください。
夜中や日曜に届いて店が閉まっている場合も、とにかくメールか問い合わせフォームを送っておきます。送信時刻が記録として残るので、営業再開まで待つより確実です。
水温の戻し方に注意
動かない個体に対して、やってはいけないのが急いで温めることです。
適温は15〜20℃です。冬に冷えきって届いた個体を早く元気にしたくて、ヒーターを入れたりお湯を足したりすると、かえってとどめを刺すことがあります。弱っている個体は、水温が上がると代謝だけ上がって体力を消耗してしまうからです。
袋ごと室温に置いて、1時間に1℃くらいのペースでゆっくり戻してください。急がないことが、この場面ではいちばんの手当てです。

連絡するときに伝えること
次の内容を入れておけば、やり取りが一往復で済みます。
- 注文者名と注文番号
- 生体の種類と数
- 到着した日時
- 到着時の状態(動きの有無、体の様子)
- 撮影した写真
あわせて、亡くなっていた場合の扱いです。個体を処分しないでください。 返送を求められる場合があり、破棄したあとの連絡は対象外としている店があります。
保管の仕方は、まず店に確認して構いません。返送不要の店も多いです。預かることになったら、濡らしたペーパーで包んで密閉し、さらに袋を二重にして、食品とは分けて冷蔵庫へ。冷凍庫には入れないでください。凍らせると組織が壊れて、何が原因だったのかを判断できなくなります。
配送の遅延による死着を対象外としている店が多いので、伝票の時刻が写った写真はここで効きます。指定した日時に届いていなかったなら、その証拠になります。
メールの返事が来ないときは、電話も試してください。期限が決まっている以上、送ったつもりで待つのがいちばん惜しいです。
弱っているけれど生きている場合の受け入れ方
無事に動いていたなら、ここからは通常のお迎えと同じです。ただし輸送を経ている分、ふだんより慎重にいきます。
まず、袋ごと水槽に浮かべて15〜30分おきます。袋の中と水槽の水温を近づけるためです。
水温が合ったら、袋を開けて中身をバケツかプラケースに移します。袋のままでは次の作業ができません。移した容器は、水槽に浮かべるか、すぐ横に置いて水温が逃げないようにしてください。
そこから、容器の水を1/3ほど捨てて水槽の水を足す、という作業を15分おきに3回ほど繰り返します。合計で1時間弱です。最後に、ウパちゃんだけをそっと水槽へ移してください。

袋の水が濁っていたときの短縮版
輸送中に排泄や吐き戻しがあると、袋の中の水質は短時間でかなり悪くなります。この場合は、ゆっくり時間をかけるほうが危険です。
温度合わせ(15〜30分)までは同じですが、そのあとは準備しておいたカルキ抜きの水を張ったバケツに先に移してください。汚れた水から出すことを優先します。そのうえで、水槽の水を少しずつ足して慣らしていきます。
水を張るときのカルキ抜きは、到着に合わせてすぐ効くタイプがあると待たされません。
水温は、袋の外から当てても正しく測れません。袋を開ける段階ですぐ読めるよう、デジタルのものを手元に出しておくと流れが止まりません。
移したあとは、次の3つを守ってください。
- 餌はあげない(最低でも翌日まで。輸送直後は消化に回す余力がありません)
- 照明を消して、できれば水槽の周りを暗くする
- 触らない、つつかない、追いかけない
輸送のストレスは見た目より深く残ります。エラが縮んでいたり体色が薄くなっていたりしても、環境が落ち着けば戻ることがほとんどです。

明らかに様子がおかしい、傾いている、浮いたまま沈めないといった状態なら、死にかけ|今すぐできる応急処置を見てください。最初の2週間の過ごし方はお迎え初日|最初の2週間の管理にまとめています。
次に買うときに
死着は運の要素もありますが、減らせる部分があります。いちばん効くのは季節です。夏と冬は輸送中の温度が読めません。どの時期が向いているかはいつ買うのがいい?季節ごとの向き不向きに、店の選び方は選び方|ショップでの健康チェックポイントにまとめてあります。
よくある質問
- 開封前の写真を撮り忘れました。もう保証は受けられませんか。
-
店によります。対象外と規定している店もありますが、まずは正直に連絡してみてください。梱包の状態や伝票が残っていれば、それも伝えます。隠したり取り繕ったりするより、事実をそのまま伝えるほうが話が進みます。
- 死着保証のない店で買ってしまいました。
-
保証は店の任意なので、ない場合は補償を求めるのが難しくなります。ただし保冷剤が入っていなかった、箱が破損していたなど、明らかな梱包の不備があれば相談の余地はあります。
- 注文したカラーと違う個体が届きました。
-
これも到着後すぐに連絡してください。死着ではありませんが、初期不良として対応してもらえることがあります。この場合も、袋に入った状態の写真が証拠になります。
- 弱っていますが生きています。保証の対象になりますか。
-
多くの店の規定は「死着」なので、生きていれば対象外になるのが一般的です。ただし到着時の状態は伝えておいてください。そのあと数日で亡くなった場合に、経緯が分かっているかどうかで対応が変わることがあります。
- 連絡したあとで元気になりました。どうすればいいですか。
-
無事だったことを伝えれば大丈夫です。先に連絡しておいたことを責める店はありません。むしろ状態の共有として歓迎されます。
まとめ
- 置き配と宅配ボックスは解除しておく。玄関前に置かれると保証も命も危うい
- 外箱は開けていい。袋は開ける前に撮る。フラッシュは切る
- 撮るのは伝票、梱包、保冷剤の状態、袋ごしの個体の4つ。30秒で済む
- 動いていれば保証より先に水合わせ。命が優先
- 生きているか分からないときは、先に店へ連絡する。様子を見てからでは期限を過ぎる
- 冷えて届いた個体を急いで温めない。1時間に1℃くらいでゆっくり戻す
- 外箱も梱包材も、亡くなった個体も、話が終わるまで処分しない
箱が届いたときに落ち着いていられるかどうかは、手順を知っているかどうかで決まります。段取りは済んでいます。あとは、新しい家族をゆっくり迎えてあげてください。


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