ウパちゃんが大きくなってきて、そろそろ水槽が狭そう。でも新しい水槽に替えるとなると、また一から立ち上げないといけないのでしょうか。
わたしも45cmから60cmに買い替えたとき、そこがいちばん不安でした。結論を書くと、立ち上げを一からやり直す必要はありません。バクテリアはろ材と砂利に住んでいるので、それを持っていけば一緒に引っ越してくれます。
ただし本当に事故が起きるのは、水槽ではなく「フィルターも一緒に新品にしたとき」です。ここだけは先にお伝えしておきます。
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大きくするサインは、体長よりも「水の荒れ方」に出る
サイズの目安はシンプルで、成体は20〜25cmほどになるので、45cm水槽(約35L)が最低ライン、60cm水槽(約57L)が理想です。どのサイズを選ぶかは水槽は何リットル必要?にまとめてあります。
ただ実際に買い替えを考えるきっかけは、体長より先に水のほうに出ます。
- 水換えをしても2〜3日で白く濁ってくる
- 臭いが戻るまでの期間が、前より短くなった
- フンの量が明らかに増えた
- ウパちゃんが向きを変えるときに体を折り曲げている
- 隠れ家とフィルターを置いたら、泳ぐ場所がほとんど残っていない

うちの場合は、週1回で足りていた水換えが週2回になったあたりが分かれ目でした。体が大きくなれば食べる量も増えて、出るものも増えます。水量が同じままなら、水が荒れるペースは上がる一方です。
ウパちゃんは高さをあまり使わないので、背の高い水槽より底面積の広いものが向いています。
フィルターは「買い替える」のではなく「足す」
ここがこの記事の核心です。先に結論を3つに整理します。
- 今のフィルターが新しい水量でも足りるなら、そのまま持っていく
- 能力が足りないなら、買い替えずにもう1つ足す
- どうしても新しいフィルターにしたいなら、古いろ材を必ず移す
なぜこうなるのかというと、バクテリアの居場所の問題です。水をきれいにしてくれるバクテリアは、飼育水の中ではなく、ろ材と砂利の表面に定着しています。

だから水槽もフィルターも新品にすると、バクテリアをまるごと捨てることになります。しかも最悪なのは組み合わせです。水量が増えたところに、ろ過能力はゼロからのスタート。大きくして快適にしてあげたつもりが、いちばん不安定な状態を作ってしまいます。
能力を足したいときに扱いやすいのは、投げ込み式です。今のフィルターはそのまま動かしておいて、空いたスペースにもう1つ沈めるだけなので、バクテリアを失わずにろ過面積だけ増やせます。
どのタイプが向いているかはフィルターはどれがいい?で比較しています。なお能力の高いフィルターを使うときほど、ウパちゃんは強い水流が苦手なので、吐出口を壁に向けるなどして流れを弱めてあげてください。
ろ材そのものの扱い方はフィルター掃除の頻度|ろ材は洗っていい?と同じ考え方です。洗いすぎない、水道水を使わない、この2つは買い替えの日もそのまま当てはまります。
立ち上げは引き継げる。それでも2〜3週間は様子を見る理由
ろ材と砂利を持っていけば、新しい水槽でも最初から生物ろ過が働きます。空の水槽にフィルターを回して1ヶ月待つ、という作業は要りません。
逆に、飼育水を必死で運ぶ必要はありません。バクテリアは水の中にはほとんどいないので、運ぶならろ材と砂利のほうが何倍も重要です。

ここで「水量が増えるなら、むしろ薄まって安全なのでは?」と思われた方は、その感覚で合っています。35Lが57Lになればアンモニアの濃度は下がるので、急に危険な状態になるわけではありません。
それでも様子を見てほしいのは、引っ越しの作業そのものがバクテリアを減らすからです。
- ろ材を動かすと、表面に付いた分が物理的に剥がれ落ちる
- 水から出している間、酸素が届かず弱る
- 底面積が広くなった分、足した砂利にはまだ何も定着していない
つまり、処理能力は一時的に落ちた状態から再び増えていきます。その間に餌をいつも通り与えると、追いつかなくなることがある。だから2〜3週間は、餌を控えめにして水質を見る期間になります。
測り方や危険値は水質管理入門にまとめています。ふだん測っていない方でも、買い替えの前後だけは測っておくと安心です。
前日までに用意しておくもの
当日になって足りないと詰みます。特に水です。
- バケツ2つ以上(ウパちゃん用と、作業用)
- カルキを抜いた水(60cm水槽なら57L前後。前日から作っておく)
- 水槽マット(水槽と台の間に敷く。これがないと歪みでガラスが割れることがあります)
- 足す分の底砂(45cmの砂利を60cmに移しても底が見えます)
- 水温計、カルキ抜き剤、フタ
- 水槽を置く台(60cm水槽は水を入れると60kg以上になります)
いちばん見落とされるのが水です。57Lをバケツで往復すると、それだけで何十分もかかります。わたしは当日に風呂場を何往復もして、ウパちゃんをバケツで待たせる時間が延びてしまいました。前日のうちに、大きめの容器にカルキを抜いた水を作って置いておくと、当日が一気に楽になります。
もうひとつ、作業する季節も選べるなら選んでください。真夏と真冬は、新しく張った水を水槽の水温に合わせるだけで数時間かかります。春や秋のほうが、水温合わせで悩まずに済みます。
買い替え当日の流れ
所要時間は、水温合わせを含めると半日みておくと安心です。作業自体は1〜2時間ですが、待ち時間が長いです。
- 新しい水槽を置く場所を決め、台の上に水槽マットを敷く(あとから動かせません)
- 新しい水槽を水だけで洗う。洗剤は絶対に使わない
- ウパちゃんを、今の飼育水ごとバケツに移す。夏はバケツの水温が上がりやすいので、涼しい場所に置く
- 古い水槽から砂利を取り出し、飼育水を張った容器に入れておく
- 新しい水槽に砂利を入れる。足す砂利があれば、水で洗ってから加える
- 前日に作っておいた水を静かに張る
- フィルターを新しい水槽に移して回す。古いフィルターをそのまま使う場合は、ろ材も入れたまま移動させる
- 水温が元の水槽と同じになるまで待つ
- 水温が合ったら、ウパちゃんを移す
- フタ、水温計、隠れ家を設置して完了

砂利とろ材を乾かさないことは、見落とされがちですが大事です。バクテリアは乾燥と酸欠に弱いので、空気中に出しっぱなしにしないでください。作業の手が止まりそうなときは、飼育水を張ったバケツに沈めておきます。
それから、ろ材も砂利も水道水では洗わないでください。塩素でバクテリアが減ります。汚れが気になるときは、取り出した飼育水の中で軽くすすぐ程度にとどめます。
どうしてもフィルターを新しくする場合
7番で新しいフィルターを使うなら、手順が少し変わります。
古いろ材を半分だけ新しいフィルターに入れ、残り半分は古いフィルターに残したまま、2台とも新しい水槽で回してください。2週間ほどして新しいろ材に定着したら、古いほうを外します。
ここで注意したいのが、古いフィルターが新しい水槽に物理的に付くかどうかです。外掛け式は水槽のフチの厚みによって掛からないことがありますし、外部式はホースの長さが足りるかを事前に確認しておいてください。当日に気づくと手が止まります。
移したあとの2〜3週間の過ごし方
やることは多くありません。
餌は少し控えめにします。食べた分だけアンモニアが出るので、ろ過が追いつくまでは発生源を減らしておくほうが安全です。2〜3日に1回、いつもより少なめから始めて、落ち着いてきたら通常に戻します。
水換えもいつもより少なめにします。せっかく移したバクテリアを薄めてしまうので、大量換水は逆効果です。
水が白く濁ることがあります。バクテリアが一気に増えるときに起きる現象で、数日から1週間ほどで澄んでくることがほとんどです。ただし白濁したら、まず測ってください。アンモニアや亜硝酸が出ていなければ放置で大丈夫ですし、数値が出ているなら1/3ほど水を換えます。「白濁は放置でいい」とだけ覚えてしまうと、見逃す場合があります。
水温は23℃以下で安定させておきましょう。25℃を超えると負担が増え、28℃に近づくと危険域に入ります。環境が変わった直後は、それだけで体力を使っています。
よくある質問
- 古い水槽は処分したほうがいいですか。
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取っておくことをおすすめします。塩浴や薬浴のときの治療用、2匹目を迎えたときのトリートメント用として出番があります。場所は取りますが、いざというとき「もう1つ水槽がある」のは心強いです。
- 底砂を敷いていないベアタンクですが、引き継げますか。
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大丈夫です。むしろ移行は簡単になります。ベアタンクならバクテリアはほぼろ材に集中しているので、ろ材さえ乾かさずに運べば、そのまま生物ろ過が働きます。
- 水槽を大きくするついでに、底砂も新しいものに替えたいです。
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同時にやらないでください。砂利はろ材に次ぐバクテリアの住処なので、水槽もフィルターも砂利も一度に新品にすると、引き継げるものが何も残りません。足すのは構いませんが、入れ替えるなら落ち着いた1ヶ月後に、半分ずつにしてください。
- 作業中、ウパちゃんをバケツに入れておく時間はどのくらいまで大丈夫ですか。
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数時間なら問題ありませんが、水温が変わらないことが条件です。夏は室内でもバケツの水温が上がるので、涼しい場所に置いてください。長くなりそうなら、エアレーションを入れておくと安心です。
- 新しい水槽に移してすぐ、落ち着きません。心配です。
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環境が変わった直後は、動き回ったり隠れ家から出てこなかったりすることがあります。数日で落ち着くのがほとんどです。ただし餌を食べない日が続く、エラが縮んでくるといった変化があれば、水質を測ってみてください。
まとめ
- 水槽とフィルターを同時に新品にしない。バクテリアをまるごと捨てることになる
- フィルターは買い替えるより「足す」。投げ込み式を1つ沈めるだけでも能力は上がる
- ろ材と砂利は乾かさない、水道水で洗わない。この2つだけ守れば失敗しにくい
- カルキを抜いた水は前日に作っておく。当日バケツで往復すると待ち時間が延びる
- 移したあとは餌も水換えも控えめに。白濁したら放置せず、まず測る
水槽を大きくするのは、ウパちゃんが元気に育った証拠でもあります。手順さえ押さえておけば怖い作業ではありません。広くなった水槽で悠々と泳ぐ姿は、なかなか見ごたえがありますよ。


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