水槽台の下に水たまりができている。フィルターから変な音がする。朝見たら水が流れていない。
電気は来ているのに機器が壊れるというのは、停電より頻度が高いトラブルです。しかも停電と違って、自分で気づかないと誰も教えてくれません。
わたしは一度、外掛けフィルターが止まっているのに丸1日気づかなかったことがあります。音が静かなタイプだったので、部屋にいても分からなかったんです。翌日に水面の揺れがないことでようやく気づきました。
この記事では、水槽まわりで起きやすい故障を、緊急度の高い順に整理します。停電したときの対処はこちらの記事にまとめているので、電気が来ていない場合はそちらを見てください。
その濡れ、本当に水漏れですか|30秒で切り分け
台の下が濡れているとき、まず疑うのは結露です。 夏場は水温と室温の差でガラス面に水滴がつき、それが伝って落ちます。これは故障ではありません。

見分け方は簡単です。水槽の外側をよく拭いて、乾いたキッチンペーパーを台に敷き、数時間置いてください。 濡れてくるなら漏れています。
濡れていなければ結露です。水槽を壁から少し離す、部屋の湿度を下げるといった対応で落ち着きます。
以下は、実際に漏れていた場合の手順です。
水漏れを見つけたら|最初の10分でやること
ウパちゃんだけでなく、家と階下への被害が絡みます。順番があります。
① まず電源です(ここを飛ばさないでください)
床が濡れている状態で、いきなり水槽まわりに手を伸ばさないでください。
- 濡れた手、濡れた床でコンセントやプラグに触らない
- 水がコンセント付近まで広がっているなら、その回路のブレーカーを落としてから作業する
- ヒーターを使っている場合は、この時点で電源を切る(理由は次に書きます)
感電は一瞬です。ウパちゃんを助けるつもりで自分が危ない目に遭っては元も子もありません。
② 吸水できるもので囲う
毛布、バスタオル、ペットシーツ。とにかく水を受け止めてください。マンションの場合、階下への漏水は賠償の話になります。
③ 水位を下げる(機器の電源を切ってから)
漏れている位置より水面を下げれば、そこからは漏れなくなります。バケツに汲み出してください。この水は捨てないでください。 あとでウパちゃんを移すときに使います。
ただし、汲み出す前にヒーターとフィルターの電源を切ってください。
水位が下がるとヒーターが空気中に出て、過熱して破損します。最悪の場合は発火します。フィルターも吸水口が水面から出ると空気を吸って空回りし、ポンプを傷めます。
「水を抜く前に電源を切る」。これは水換えのときも同じです。
④ 避難用の容器を用意する
水漏れが止まらないようなら、ウパちゃんを別の容器に移します。いま抜いた飼育水を使ってください。 新しい水に移すと、水漏れのストレスに水質の急変が重なります。
容器はフタつきのプラケースやタッパーで構いません。飛び出さないよう、フタに穴を開けて固定します。
⑤ 原因を特定する
意外なことに、水漏れの原因が水槽本体ではないことがよくあります。
- 外部フィルターのホース接続部がゆるんでいる
- 外掛けフィルターの排水部分から水が伝っている
- エアチューブを伝って水が外に落ちている(サイフォン現象)
- 水換えのときにこぼしただけ
水槽を疑う前に、まず配管まわりを確認してください。 ここが原因なら、締め直すだけで解決します。
あわせて、水槽台が傾いていないかも見てください。わずかな傾きでもガラスに偏った力がかかり、接合部の劣化やヒビの原因になります。
集合住宅にお住まいの場合
床にしみ込むほど漏れた場合、やることが3つ増えます。
- 濡れた範囲の写真を撮る(対応の前に。あとで必要になります)
- 管理会社か大家に連絡する。階下に影響が出ている可能性は、自己判断で「大丈夫だろう」と片づけないでください
- 火災保険の証券を確認する。個人賠償責任特約が付いていれば、階下への漏水がカバーされることがあります
連絡が早いほど話はこじれません。黙っていて後から発覚するのが、いちばん面倒なパターンです。
水槽のヒビ|どこまで自分で直せるか
ガラス面やシリコンの接合部にヒビを見つけた場合です。
まず知っておいてほしいこと。ヒビの入ったガラス水槽は、ある日いきなり全体が割れることがあります。 水の重さが常にかかっているためです。「まだ漏れていないから様子見」は危険です。
接合部のシリコンが剥がれている場合は、市販のシリコーンシーラント(アクアリウム用)で補修できることがあります。ただし条件があります。
- ウパちゃんを別の容器に移し、水を完全に抜いてから作業する
- 防カビ剤(抗菌剤)が入っていない製品を選ぶ
- 古いシリコンをきれいに除去する
- 硬化を最低48〜72時間待つ。厚く盛った場合は1週間
2つ目と4つ目が特に大事です。
ホームセンターで売っているバスコークなどは、多くが防カビ剤入りです。これは生体に有害なので使えません。 焦って近所の店で適当に買うと、ここで間違えます。パッケージに「防カビ剤入り」と書かれていないものを選んでください。
硬化時間も、24時間は表面が乾く目安にすぎません。 内部が固まりきっていないと有害な成分が溶け出します。「表面が乾いたから大丈夫」ではなく、日数で判断してください。
ガラス面そのものにヒビが入っている場合は、補修せず買い替えてください。 シーラントで塞いでも、ガラスの強度は戻りません。
正直なところ、60cm以下の水槽なら買い替えたほうが早くて安全だと思います。補修に必要な材料と手間、そして失敗したときのリスクを考えると、割に合わないことが多いです。
フィルターが止まった・音がおかしい
次に多いのがこれです。
すぐに確認する3つ
① 電源が抜けていないか
笑い事ではなく、これが意外と多いです。掃除のときに抜いて戻し忘れる、コンセントがゆるんでいる、延長コードのスイッチが切れている。まず物理的に確認してください。
② 詰まっていないか
ろ材やストレーナー(吸い込み口)にゴミが詰まると、水量が落ちたり止まったりします。ウパちゃんは糞が大きいので、これは起きやすいです。
③ インペラーが動くか
インペラーは水を送る回転部分です。ここに髪の毛やゴミが巻き付くと止まります。取り出して掃除すると直ることが多いです。
異音が続く場合は、インペラーの摩耗か、モーターの軸のブレが原因のことが多いです。インペラーは部品単体で買えるので、交換すれば直ります。
掃除するときの注意
ろ材を水道水で洗わないでください。 塩素でバクテリアが死にます。飼育水か、バケツに汲んだカルキ抜き済みの水で軽くすすぐ程度にしてください。
なお、異音が振動によるものであれば、フィルターの下に防振マットを敷くと収まることがあります。水槽台に響いている音は、機器そのものより設置のしかたが原因のこともあります。
長時間止まっていた場合
半日以上止まっていたフィルターを、そのまま回さないでください。
止まっている間にフィルター内部の酸素がなくなり、有害な物質が溜まります。そのまま電源を入れると、それが一気に水槽へ流れ込みます。
- 電源を入れる前に、フィルター内の水を捨てる
- ろ材を飼育水で軽くすすぐ
- それから電源を入れる
- 念のため水を1/3換える
フィルターが止まっていた間、アンモニアが蓄積している可能性があります。 ウパちゃんの様子がおかしければ、弱っているときの応急処置を確認してください。

エアポンプが止まった
エアポンプはダイヤフラムというゴムの部品を伸縮させて空気を送っています。ここが劣化すると、音が大きくなったり、空気の量が落ちたりします。
確認するのはこの順番です。
- 電源が入っているか
- エアチューブが折れていないか、外れていないか
- エアストーンが目詰まりしていないか(白い汚れが固まります)
- 逆止弁が詰まっていないか
3番が意外と多いです。 エアストーンは消耗品なので、泡が細かく出なくなったら交換してください。数百円です。
ポンプ本体が原因なら、ダイヤフラムの交換部品が売られている機種もありますが、本体を買い替えたほうが安いことが多いです。
エアレーションが止まっている間は、手やコップで水面をかき混ぜて酸素を入れてあげてください。
夏に冷却機器が壊れたら
これがいちばん危険です。 ウパちゃんは高水温に弱いので、夏場のクーラーやファンの故障は時間との勝負になります。
水温を測って、23℃を超えていたらすぐ動いてください。 25℃で病気のリスクが上がり、28℃を超えると命に関わります。
機器の修理を待っているあいだの手段です。
- エアコンで室温を下げる(いちばん確実)
- 凍らせたペットボトルを水に浮かべる(1本ずつ、水温を見ながら)
- 保冷剤をタオルで包んで水槽の外側に当てる(水の中には入れない)
- 直射日光を遮る
冷却ファンは水を蒸発させて冷やすので、下がるのは2〜3℃です。 それ以上を期待しないでください。
段階別の詳しい手順は水温が上がりすぎたときの記事にまとめています。
気づくのが遅れないための仕組み
故障そのものは防げませんが、気づくのが遅れることは防げます。
冒頭に書いたとおり、わたしはフィルターが止まっているのに丸1日気づきませんでした。静かな機種ほど、止まっても分かりません。
やっておくといいのは次の3つです。
① 水面の揺れを毎日見る
フィルターが動いていれば、水面がわずかに揺れています。餌をあげるときに1秒だけ水面を見る。これだけで気づけます。
② 最高最低温度を記録する水温計を使う
外出中に何度まで上がったかが分かります。冷却機器が効いていない日を見逃しません。
③ 水槽台の下に何か敷いておく
新聞紙でもトレーでも構いません。水漏れが起きたとき、床が濡れる前に気づけます。

予備に持っておくもの
全部そろえる必要はありませんが、あると安心なものです。
- エアストーン(数百円。消耗品なので予備があると楽)
- エアチューブ(劣化して硬くなります)
- カルキ抜き(トラブル時は水換えが増えます)
- フタつきの避難用容器(水漏れ・補修時に必要)
- 予備のろ材(フィルター交換時に古いろ材と混ぜて使うと立ち上げが早い)
フィルターそのものの予備まで持つ必要はないと思います。ただし、いま使っているフィルターのインペラーの型番だけメモしておくと、いざというとき注文が早いです。
よくある質問
- コンセントまわりに水がかかってしまいました。どうすればいいですか?
-
まず濡れた手で触らないでください。水がコンセントに達している可能性があるなら、その回路のブレーカーを落としてから、乾いた布で拭き取ります。完全に乾くまで(数時間から半日)通電しないでください。今後の予防として、電源コードをコンセントの手前で一度垂らす「ドリップループ」を作っておくと、コードを伝った水がコンセントに入らず、途中で落ちます。結び目を作る必要はなく、コードをたるませるだけです。
- フィルターが止まってから何時間までなら大丈夫ですか?
-
数時間であれば、大きな問題にはなりにくいです。ただし夏場は別で、水が動かないと水面からの酸素の取り込みも減るため、半日でも危険になることがあります。止まっているのに気づいたら、まず水面を手でかき混ぜて酸素を入れ、それから原因を調べてください。半日以上止まっていた場合は、そのまま電源を入れず、記事中の手順でろ材をすすいでからにしてください。
- 修理のあいだ、ウパちゃんをどこに入れておけばいいですか?
-
フタつきのプラケースやタッパーに、いまの飼育水を入れて移してください。新しい水は使わないでください。水は容器の半分程度で十分です。数日になる場合は、エアレーションを入れるか、1日1回は水面をかき混ぜてあげてください。餌は止めておくと水が汚れにくくなります。暗く静かな場所に置いておけば、数日は問題なく過ごせます。
まとめ
- まず結露か水漏れかを切り分け(拭いて、乾いたペーパーを数時間置く)
- 水漏れなら電源 → 吸水 → 水位を下げる → 避難容器 → 原因特定の順で
- 濡れた手と濡れた床で電源に触らない。 広がっていればブレーカーを落とす
- 水を抜く前にヒーターとフィルターの電源を切る(空焚きと空回りを防ぐ)
- 集合住宅なら写真を撮る → 管理会社に連絡 → 火災保険の特約を確認
- 原因が水槽本体でないことは多い。 まず配管まわりを確認してください
- ヒビの入った水槽は、いきなり全体が割れることがあります。 様子見はしないこと
- シリコン補修は防カビ剤なしの製品で、硬化を48〜72時間待つ。ガラスのヒビは買い替え推奨
- フィルターの確認は電源 → 詰まり → インペラーの順。ろ材は水道水で洗わない
- 半日以上止まっていたフィルターは、そのまま回さない(アンモニアが流れ込みます)
- 夏の冷却機器の故障は最優先。23℃を超えたら動いてください
- 気づくのが遅れないように、水面の揺れを毎日1秒見るだけで違います
機器はいつか壊れます。壊れること自体は避けられませんが、早く気づけば、たいていは間に合います。
あわせて読みたい


コメント