ウパちゃんの体に白い綿のようなものがついていた。尻尾の先が溶けている気がする。そんなとき、すぐに手当てを始められるかどうかで結果が変わります。
病気に気づいてから道具を買いに走ると、どうしても一日、二日の遅れが出ます。ウーパールーパーの病気は進行が早いものも多く、その一日が大きい。
わたしも一度、夕方に異変に気づいたのに塩を切らしていて、翌日まで何もできなかったことがあります。幸い軽症で済みましたが、あのときの落ち着かなさは忘れられません。それ以来、治療用の道具は常に置いてあります。
この記事では、いざというときのために備えておきたい道具をまとめます。どれも高価なものではありません。
最優先で常備すべきは「塩」です
ウーパールーパーの病気で、自宅でできる対処の中心になるのが塩浴です。
塩浴は、水に塩を溶かして体表の浸透圧を調整し、細菌やカビの活動を抑える方法です。水カビ病、尾ぐされ病、軽い皮膚のトラブル、体力が落ちているときなど、幅広い場面で最初の一手になります。
使う塩は、添加物の入っていないものであれば食塩でも構いません。ただし、にがり入りの岩塩やミネラル添加のものは避けてください。
アクアリウム用のものは分量が計りやすく、迷いがありません。
タブレット状になっているタイプは、水量あたりの錠数が決まっているので計量の手間がなく、慌てているときでも間違えにくいです。
濃度は0.3〜0.5%が基本です。1リットルの水に3〜5グラム。これを超えると逆にウパちゃんの負担になるので、目分量ではなく必ず計ってください。詳しい手順は塩浴のやり方の記事にまとめています。
隔離するための容器と道具
治療は、本水槽から出して別の容器で行うのが基本です。
理由は3つあります。薬や塩が水槽のバクテリアを殺してしまうこと、他の個体への感染を防げること、そして弱った個体を静かな環境に置けることです。
容器は専用品でなくても構いません。プラスチックケースやバケツで十分です。ただし、洗剤を使ったことのある容器は避けてください。
同じ水槽で複数飼っている場合は、仕切り板を使って一時的に隔離する方法もあります。移動のストレスを与えずに済むのが利点です。
治療中は水が汚れやすいので、フンや食べ残しをこまめに取り除きます。スポイトがあると、水を大量に換えずにピンポイントで掃除できます。
水質検査キット|原因を突き止めるために
ウーパールーパーの不調は、その多くが水質に起因しています。
アンモニアや亜硝酸が溜まると、それだけで体調を崩し、免疫が落ちて病気を招きます。ところがこれらは無色無臭で、見た目では判断できません。水が澄んでいても、数値としては危険域ということが普通に起こります。
「なんとなく元気がない」「エラの色が悪い」といった状態のとき、水質を測れば原因が分かることがよくあります。逆に測らないと、原因不明のまま対処が遅れます。
試験紙タイプなら、水に浸けて数十秒で結果が出ます。まず1つ持っておくならこれです。
pHを正確に測りたい場合は試薬タイプを。数値の細かい変化を追いたい方向けです。
異常が出たときの対処はシンプルで、水換えです。アンモニアや亜硝酸が検出されたら、まず水を換えてください。詳しくは水質管理の記事にまとめています。
カルキ抜き|治療でこそ必要になります
普段の水換えで使っているものですが、治療中は使用量が増えます。
塩浴や薬浴では毎日のように水を換えることになり、そのたびにカルキを抜いた水が必要です。弱っている個体に塩素の残った水は絶対に使えません。切らさないようにしておきましょう。
大容量で経済的なタイプもあります。
ウーパールーパー専用として作られたものもあります。粘膜保護成分が入っているので、皮膚が弱っているときには選択肢になります。
薬について|使う前に必ず知っておくこと
ここは特に注意してほしいところです。
観賞魚用の薬をそのままウーパールーパーに使ってはいけません。
とくにマラカイトグリーン系の薬(グリーンFリキッドなど)は、両生類に対して毒性が報告されています。魚には安全でも、ウパちゃんには使えません。
塩浴で改善しない場合に使われることがあるのがグリーンFゴールド顆粒ですが、規定量では濃すぎるため、1/10〜1/5に薄めて使うのが一般的です。自己判断で使う前に、まずは動物病院に相談することを強くおすすめします。
薬の扱いについては魚用の薬を使ってはいけない理由の記事で詳しく説明しています。使う前に必ず目を通してください。
保温器具|回復期に効いてきます
意外に思われるかもしれませんが、治療中はヒーターが役に立つことがあります。
水温が低すぎると代謝が落ちて、傷の治りや体力の回復が遅くなります。かといって高すぎれば菌が増えます。18〜20℃前後に安定させるのが、回復には理想的です。
冬場に治療が必要になったとき、水温が10℃台前半まで下がっていると回復が進みません。低温になる環境では、温度を保てる手段を用意しておくと安心です。
そろえておきたいものリスト
| 優先度 | もの | 用途 |
|---|---|---|
| 必須 | 塩 | 塩浴。最初の一手 |
| 必須 | カルキ抜き | 治療中は使用量が増える |
| 必須 | 隔離容器 | プラケースやバケツで可 |
| あると安心 | 水質検査キット | 不調の原因特定 |
| あると安心 | スポイト | 治療中の掃除 |
| 環境による | ヒーター | 冬場の回復補助 |
| 病院相談後 | 薬 | 自己判断で使わない |
塩とカルキ抜きだけは、いま買っておいてください。 合わせても大した金額にはならず、いざというときに一日を稼げます。
よくある質問
- 塩浴はどんな症状のときに使えますか?
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水カビ病の初期、尾ぐされ病の初期、軽い皮膚のトラブル、体力が落ちているときなどに使われます。ただし万能ではありません。ぷかぷか病や腹水病、誤飲による腸閉塞には効果がなく、別の対処が必要です。症状の見分け方は各記事にまとめています。
- 治療用の水槽は必要ですか?
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専用の水槽を買う必要はありません。プラスチックケースやバケツで十分です。大切なのは、本水槽と分けること、そして毎日水を換えられる扱いやすさです。洗剤を使ったことのある容器は残留の恐れがあるため避けてください。
- 病院に行くべきかどうかの判断基準は?
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血が混じったものを吐く、3日以上まったく食べない、お腹が硬く膨れている、ぐったりして反応が薄い。これらのいずれかがあれば、自宅での対処より受診を優先してください。爬虫類・両生類を診られる病院は限られるので、元気なうちに近くの病院を調べておくと安心です。
まとめ
- 塩は必ず常備。多くの病気で最初の一手になります
- 濃度は0.3〜0.5%。目分量ではなく必ず計る
- 治療は本水槽から出して別容器で。バケツで構いません
- 水質検査キットがあると、不調の原因を数字で確認できる
- 観賞魚用の薬は自己判断で使わない。とくにマラカイトグリーン系は厳禁
- 治療中はカルキ抜きの消費が増えるので切らさないように
備えておく道具は、使わずに済むのがいちばんです。それでも、あるという安心感は大きいと思います。
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