水槽をのぞいたら、ウパちゃんの体に白いモヤモヤしたものがついていた。皮がめくれているように見える。ドロドロしたものが漂っている。
こういうとき、まっさきに「病気かもしれない」と不安になりますよね。わたしも一度、夏の終わりの朝に水槽(60cm・1匹飼い)をのぞいたら体の表面が白っぽく濁って見えて、慌てて調べまわったことがあります。結果としては水換えを2日サボっていただけで、その日に3分の1ほど換えたら翌日には元に戻りました。
ウパちゃんの体につく「白いもの」には、いくつか種類があります。 放っておいて大丈夫なものもあれば、すぐ手を打たないと進行してしまうものもあります。大切なのは、その見分けです。
この記事では、白いものやぬめりの正体を4つに分けて、それぞれの見分け方と対処法をまとめます。
まず知っておきたい|ウパちゃんは脱皮をしません
見分けの前に、前提をひとつ。
ヘビやトカゲと違って、ウーパールーパーは目に見える形の脱皮をしません。 皮膚は薄い粘膜の層におおわれていて、古くなった細胞は少しずつ入れ替わっていきます。ヘビのように一枚まるごと脱ぐ、ということは起こりません。
もうひとつ大切なのが、両生類は皮膚から水と酸素を取り込んでいるという点です。皮膚そのものが呼吸器官のような役割を持っているので、水が汚れると真っ先に影響が出るのが皮膚なんです。
つまり、皮膚に異変が出たときは「皮膚だけの問題」ではなく、水質のサインとして読むのが正しい見方になります。

白いものの正体は4つ|まず見た目で分ける
体についている白いもの、あるいは皮膚の異変は、大きく4つに分けられます。
見分けの基準は「質感」です。もこもこしているのか、薄い膜なのか、めくれているのか、赤みがあるのか。ここを見れば、だいたいの見当がつきます。
水槽の前で見比べられるよう、先に一覧にしておきます。
| 見た目 | 出やすい場所 | 急ぎ度 | まずやること |
|---|---|---|---|
| もこもこの白い綿 | エラ・指先・尻尾の先 | 中 | 水換え1/3+塩浴0.3〜0.5% |
| 薄い膜・ぬめりが増えた | 体全体 | 低 | 水換え1/3を2日おきに2〜3回 |
| 皮がめくれてボロボロ | 体の一部 | 低 | 触らず環境を安定させる |
| 赤くただれている | 手足・お腹 | 高 | 隔離して当日中に塩浴0.1〜0.2% |
それぞれ順番に見ていきましょう。
① もこもこした白い綿がついている|水カビ病
綿やカビのように、ふわふわと立体的に見えるものが付着している場合は、水カビ病の可能性が高いです。
エラの先端、手足の指先、尻尾の先など、体の末端から始まることが多く、放置すると広がっていきます。触れると綿状のものがゆらゆら揺れる感じがあれば、まず水カビ病を疑ってください。
原因は水中にいるカビ菌です。この菌はどの水槽にもいる常在菌なのですが、水質が悪化していたり、体に傷があったり、ウパちゃんが弱っていたりすると、そこから増殖します。
20℃以下の低水温でむしろ活発になるという特徴があるので、冬場に多いのもこのタイプです。
ただしここで注意してほしいのが、水温を上げて対処しようとしないことです。カビの活動は抑えられても、ウパちゃん自身が高水温に耐えられません。25℃を超えると別の病気を招くので、水温はいつも通り15〜20℃に保ったまま対処します。

対処は水換えと塩浴です。まず水を1/3ほど換えて、0.3〜0.5%(水1Lに塩3〜5g)の塩浴を始めます。 塩浴中は毎日1/3の水を換えて、減った分の塩を足して濃度を保ちます。これを1〜2週間続けるのが基本の流れです。
濃度を間違えると逆に負担になるので、目分量ではなく必ず計ってください。手順は塩浴のやり方の記事に、進行度合いごとの判断は水カビ病の記事にまとめています。
② 薄い膜のよう・ぬめりが増えた|粘膜の過剰分泌
こちらはもこもこではなく、体の表面が白っぽく濁って見えたり、透明〜白の薄い膜がかかったように見える状態です。糸を引くようなぬめりが水中に漂うこともあります。
これは病気ではなく、ウパちゃんが自分の身を守ろうとして粘液をたくさん出している状態です。
粘液には体を守るバリアの役割があります。水質が悪くなって皮膚に刺激を受けると、身を守るために分泌量が増えます。つまりこれは、「水が悪くなっているよ」という体からの合図なんです。
わたしが最初に慌てたのも、まさにこれでした。
原因はほぼ水質です。アンモニアや亜硝酸が溜まっている、水換えの間隔が空きすぎている、餌の食べ残しが沈んでいる。思い当たることがあれば、まず水を換えてください。
目安は1回あたり1/3を、2日おきに2〜3回。 一度に全部換えたくなりますが、それをやるとバクテリアまで失われて水質がかえって不安定になります。焦らず数回に分けるのが結果的に早いです。ぬめりが減ってきたら、通常の週1回に戻して構いません。

水質は見た目では分かりません。水が澄んでいても、数値としては危険域ということが普通に起こります。試験紙があれば数十秒で確認できます。
水換えのときは、必ずカルキを抜いた水を使ってください。塩素は弱った皮膚をさらに傷めます。
③ 皮がめくれてボロボロしている|水質・水温の急変
皮膚の一部がめくれて、ひらひらとはがれているように見える状態です。
これは急激な環境の変化が原因になっていることが多いです。具体的には次のような場面です。
- 水を一度に全部、または大量に換えた
- 水温が合っていない水を足した
- お迎え直後で、環境の変化についていけていない
- 水温が短時間で大きく上下した
ウパちゃんの皮膚はとても繊細なので、環境が急に変わると表面がダメージを受けます。
対処はシンプルで、環境を安定させて静かにしておくことです。ここで「治そう」として頻繁に水をいじると、かえって刺激が増えて悪化します。
- 水換えは1回あたり1/3程度にとどめる
- 足し水は必ず水温を合わせる(2℃以内が目安)
- しばらく餌を控えめにして、そっとしておく
数日から1〜2週間で自然に落ち着いてくることがほとんどです。
水換えのたびに水温を合わせるのは面倒に感じますが、この一手間が皮膚トラブルの多くを防ぎます。
④ 赤くただれている・充血している|細菌性の皮膚炎
ここまでの3つと違い、注意度が一段上がるのがこのタイプです。
皮膚が赤くただれている、出血しているように見える、手足やお腹に充血が広がっている。こうした場合は細菌感染を起こしている可能性があります。
放置すると全身に回り、命に関わることもあります。見つけたらその日のうちに対処を始めてください。
まずやることは3つです。
1. 本水槽から出して隔離する(プラケースやバケツで構いません)
2. 水を毎日換える(カルキ抜きした水で)
3. 薄めの塩浴を始める(0.1〜0.2%から)

皮膚がただれているときは、通常の0.3〜0.5%ではなく0.1〜0.2%(水1Lに塩1〜2g)から始めてください。 傷ついた皮膚に濃い塩水はしみます。5〜15分ほど浴させて本水槽ではなく隔離容器に戻す、を1日1〜2回。詳しい手順は塩浴のやり方の記事にあります。
塩は異変に気づいてから買いに行くと一日遅れます。常備しておくと、その日のうちに動けます。
手足やお腹の赤みが目立つ場合は、レッドレッグ症候群の可能性もあります。こちらの記事もあわせて確認してみてください。
迷ったときの対処の順番
どのタイプか判断がつかないときも、やることの順番は同じです。
まず水を換えます。粘膜の過剰分泌なら、これだけで改善に向かいます。水カビ病や皮膚炎でも、水質を整えることが治療の土台になります。
次に水質を測ります。アンモニアや亜硝酸が出ていれば、原因が確定します。
そのうえで、症状が広がっているようなら隔離して塩浴に進みます。
この順番は、どのタイプでも変わりません。判断がつかないまま塩浴から始めるより、水を換えて反応を見るほうが確実です。
手当てのときにあると助かるもの
治療中はフンや食べ残しで水が汚れやすくなります。スポイトがあれば、水を大量に換えずにピンポイントで掃除できます。
日常の水換えでは、底に溜まった汚れを吸い出せるクリーナーがあると、皮膚トラブルの予防そのものになります。
こんなときは病院へ
自宅でできることには限界があります。次のような状態であれば、対処を続けるより受診を優先してください。
- 塩浴を3日以上続けても改善しない、または悪化している
- 皮膚のただれが体の広い範囲に広がっている
- 出血している、または肉が見えるほど深い傷がある
- 3日以上まったく餌を食べない
- ぐったりして、触れても反応が弱い

ウーパールーパーを診てくれる病院は多くありません。元気なうちに、近くのエキゾチックアニマル対応の病院を調べておくことをおすすめします。いざというときに探し始めると、それだけで一日を失います。
よくある質問
- 白いモヤモヤが水中に漂っているだけで、体にはついていません。これは何ですか?
-
ウパちゃんの体から出た粘液や、フンが崩れたもの、フィルターから出たバクテリアの塊などが考えられます。体に異常がなく食欲もあるなら、水換えをすれば落ち着くことがほとんどです。ただし頻繁に出るようなら、水質が悪化しているサインなので、水換えの頻度を見直してください。
- エラの先が白くなっています。水カビ病でしょうか?
-
質感を見てください。綿のようにもこもこしていれば水カビ病の可能性が高いです。一方、エラ全体が白っぽく色あせているだけなら、酸素不足や水質悪化でエラの血流が落ちている状態かもしれません。この場合はエアレーションと水換えで改善することがあります。
- 皮膚のトラブルは自然に治りますか?
-
原因によります。粘膜の過剰分泌や、環境の急変による皮むけは、水質を整えれば自然に落ち着くことが多いです。一方、水カビ病や細菌性の皮膚炎は放置すると進行します。「数日様子を見て変化がない、または悪化している」なら、自然治癒は期待せず対処に移ってください。
まとめ
- ウパちゃんは脱皮をしない。皮膚の異変は水質のサインとして読む
- もこもこの白い綿 → 水カビ病。水換えと塩浴で対処
- 薄い膜・ぬめりが増えた → 粘膜の過剰分泌。水質悪化の合図なのでまず水換え
- 皮がめくれてボロボロ → 環境の急変が原因。いじらず安定させる
- 赤くただれている → 細菌感染の可能性。隔離して当日中に対処を開始
- 判断に迷っても、まず水換え → 水質を測る → 必要なら隔離と塩浴の順は変わらない
白いものを見つけると不安になりますが、多くは水を換えることから始められます。まずは落ち着いて、質感を見てみてください。
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