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朝晩が涼しくなってきて、「そろそろ夏の対策をやめていいのかな」と思う時期です。
先に良い話を書いておきます。秋は、ウパちゃんにとって一年でいちばん快適な季節です。 水温が自然と適温の15〜20℃に収まるので、特別な設備がなくても過ごせます。夏を乗り切った飼い主さんは、ここでひと息つけます。
ただし、秋には秋の落とし穴があります。しかも夏や冬の記事には書かれていない種類のものです。
わたしは去年の10月、冷却ファンを止めるのを忘れていて、朝の水温が13℃まで下がっていたことがありました。日中は20℃近くあったので、一日のうちに7℃も動いていたことになります。
この記事では、秋にやるべき切り替えを2つ、順番に整理します。ひとつは冷却の止め方、もうひとつは餌の変え方です。
秋の本当の敵は「一日の寒暖差」です
夏の敵は高水温、冬の敵は低水温。では秋は何かというと、一日の中での水温の振れ幅です。
秋は日中と朝晩の気温差が大きくなります。水は空気より温度が変わりにくいとはいえ、小さめの水槽ほど外気の影響を受けます。
目安として、一日の水温変化は2℃以内に収めたいところです。 これはアクアリウム全般で言われている基準ですが、ウパちゃんは変温動物で体温が水温そのものなので、振れ幅の大きさがそのまま体への負担になります。
ここで誤解しないでほしいのは、ゆっくり下がるぶんには、低い水温そのものは問題ではないということです。ウパちゃんは時間をかけて下がった10℃なら平気です。
ただし同じ13℃でも、急に下がった13℃は別物です。問題なのは「低いこと」より「速く動くこと」だと考えてください。
まず測ってください
秋にいちばんやるべきことは、一日の最高と最低を知ることです。
日中だけ見ていると、朝方に何度まで下がっているか分かりません。最高最低を記録してくれる水温計なら、朝起きたときに前夜の最低水温が見られます。
わたしが13℃まで下がっていたことに気づけたのも、この機能のおかげでした。測っていなければ、原因が分からないまま「なんとなく元気がない」で終わっていたと思います。
使い方で2つだけ。
毎朝、数値を見たらその場でリセットしてください。 リセットしないと前日以前の記録が残り続けて、いつの最低水温なのか分からなくなります。「朝、数字を見る → リセット → スマホのメモに1行」。これだけで、一日の振れ幅が見えるようになります。
設置場所は中層です。 水面のすぐ下やフィルターの吐出口の近くだと、水槽全体の水温とずれた数字が出ます。

切り替え①|冷却ファンをいつ止めるか
秋の失敗で圧倒的に多いのがこれです。
冷却ファンは、水を蒸発させて水温を下げる仕組みです。つまり、外気温が下がってきても同じように働き続けます。夏と同じ設定のまま回していると、秋には効きすぎます。
止める目安
判断は気温ではなく、水温で決めてください。
- 日中の最高水温が23℃を下回るようになったら、ファンの稼働時間を減らす
- 最高水温が20℃を切ったら、ファンは止めていい時期です
- ただし残暑が戻る日があるので、片付けるのは10月末以降が安心です
タイマーで動かしている場合は、稼働時間を段階的に短くしていくのがおすすめです。1日あたり1〜2時間ずつ、3〜4日かけて減らしていくと、水温の動きがなだらかになります。
温度センサー付きのファンなら、水温を見て自動で運転を調整してくれるので、この手間が減ります。冷やしすぎの防止機能がついている製品もあります。
クーラーを使っている場合|ここに落とし穴があります
水槽用クーラーは水温を見て動くので、水温が設定温度を下回れば冷却は止まります。ファンのように下がりすぎることはありません。
ただし、冷却専用機か、冷暖両用機かで話がまったく変わります。
冷却専用機なら、挿しっぱなしで構いません。秋のうちに一度掃除しておくと来年が楽です。
冷暖両用機(ヒーター機能つき)を自動モードで使っている場合は要注意です。 夏の設定温度(たとえば24℃)のままにしておくと、秋に水温が下がってきたときに今度は加温を始めます。
ウパちゃんにとって24℃は高すぎる温度です。冷やすつもりの機械が温めていた、という事故が起こりえます。
秋になったら、冷却専用モードに切り替えるか、設定温度を下げるか、電源を切ってください。 型番が分からなければ、取扱説明書で「ヒーター機能の有無」だけ確認しておくといいと思います。
切り替え②|餌をどう変えるか
ここは意外と知られていないところです。
ウパちゃんは水温が下がると代謝が落ち、消化する力も落ちます。 夏と同じ量を与え続けると、消化しきれずに食べ残しが出たり、お腹に負担がかかったりします。
もともとウパちゃんは大食漢なのに消化能力はそれほど高くない生き物です。水温が下がる時期は、そこがはっきり出てきます。
水温別の目安
気温ではなく水温で判断してください。目安としてはこのくらいです。
| 水温 | 餌の頻度と量 |
|---|---|
| 15〜20℃ | 適温。ふだんどおり(成体なら2〜3日に1回) |
| 12〜15℃ | 少し減らす。3〜4日に1回 |
| 10〜12℃ | 週1〜2回、少量に |
| 10℃以下 | ほとんど食べません。食べなければ与えない |
あくまで目安です。表の数字どおりにする必要はありません。
数字より確実なルールがひとつあります。次の餌をあげる前に、フンが出ているか確認してください。 出ていなければ、前の餌がまだ消化されていないということです。その日は与えないでください。
低水温で消化が追いつかないと、未消化の餌が体内に残ってお腹が膨れたり、浮いてしまったりすることがあります。ぷかぷか病につながるのもこのパターンです。
もうひとつ、食べ残しはその日のうちに必ず取り除いてください。 水温が下がるとろ過バクテリアの働きも鈍るので、残った餌の影響が夏より出やすくなります。
秋は逆に食欲が戻ります
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。
夏のあいだ、高水温で食欲が落ちていた子は、秋に水温が適温へ戻ると食欲が復活します。 「急によく食べるようになった」というのは、多くの場合いい兆候です。
ただし、食べるからといって与えすぎないでください。 夏に痩せた分を取り戻そうとして一気に与えると、今度は消化が追いつきません。もとのペースに戻す程度にしておいてください。

水換えも少し変わります
水温が下がると、ウパちゃんの代謝が落ちてフンの量も減ります。「では水換えも減らしていいのか」と思いがちですが、そうではありません。
ろ過バクテリアも、水温が下がると活性が落ちます。 汚れの排出が減る一方で、分解する力も同時に落ちるので、差し引きではあまり楽になりません。
週1回のペースは、そのまま維持してください。
気をつけたいのは水温差のほうです。秋から冬にかけては、バケツに汲み置いた水が水槽より冷たくなっています。
足す水は、水槽との差を2℃以内にしてください。冷たい水を一気に入れると、それだけで水温が数℃動きます。

秋後半|暖房を入れ始めると、今度は逆に振れます
ここが、この記事でいちばん伝えたいところかもしれません。
秋の前半と後半では、寒暖差の向きが逆になります。
- 秋の前半(9〜10月) … 朝晩の冷え込みで、夜に下がる
- 秋の後半(11月〜) … 暖房が入り、日中だけ上がる
暖房が効いた部屋は、冬でも20℃を超えます。そして夜に暖房を切れば、朝には10℃近くまで落ちます。冬のほうが寒暖差は小さいと思われがちですが、暖房の入り方によっては秋より大きくなることがあります。
気をつけたいのは置き場所です。
- エアコンの風が直接当たる場所に水槽を置かない(水面の蒸発が進み、水温も動きます)
- 暖房の吹き出し口の正面、こたつやストーブの近くも避ける
- 窓際は外気の影響を受けるので、できれば部屋の内側へ
もうひとつ、夜の換気も見落としがちです。涼しくなってから窓を開けっぱなしにして寝ると、朝には想像以上に下がっています。わたしの13℃も、半分はこれが原因でした。
11月のうちに、朝の水温を一度測ってください
住んでいる地域と部屋の環境で、冬の最低水温はかなり変わります。暖房を切った翌朝の水温を知っておけば、冬に慌てずに済みます。
5℃近くまで下がるようなら、低温設定のヒーターを検討することになります。そうでなければ、何もしなくて大丈夫です。詳しくは冬の寒さ対策を見てください。

ついでに済ませておくこと
- 冷却ファンはホコリを払って羽根を拭いてから片付ける(来年また使います)
- デジタル水温計の電池を交換しておく(冬に切れると困ります)
- 台風への備えを確認する。秋は台風シーズンでもあります → 停電対策の記事
よくある質問
- 秋になってから動きが鈍くなりました。病気でしょうか?
-
まず水温を確認してください。水温が下がると代謝が落ちるので、動きが鈍くなるのは自然な反応です。15℃を下回ってくると、目に見えて静かになります。これは異常ではありません。ただし、水温が適温(15〜20℃)なのに動きが鈍い、エラが縮んできた、餌を食べないといった変化が重なる場合は別です。その場合は弱っているときの対処を確認してください。
- 秋はヒーターを入れたほうがいいですか?
-
多くの地域では不要です。ウパちゃんは低水温に強く、室内飼育であれば冬でも問題なく過ごせます。ヒーターを検討するのは、水温が5℃近くまで下がる環境の場合です。熱帯魚の記事には「秋にヒーターを設置しましょう」と書かれていますが、これは熱帯魚が低水温に弱いためで、ウパちゃんには当てはまりません。かえって温めすぎになります。
- 朝と夜で水温が5℃くらい違います。どうすればいいですか?
-
まず冷却ファンが回っていないか確認してください。秋にファンを回し続けていると、夜間に下がりすぎます。それでも差が縮まらない場合は、水槽を窓際から離す、発泡スチロールやダンボールで側面を覆う、といった方法で外気の影響を減らせます。水量を増やすのも効果的です。水が多いほど温度は動きにくくなります。
まとめ
- 秋はウパちゃんにとって一年でいちばん快適な季節です。まずはひと安心してください
- 秋の敵は低水温ではなく、一日の寒暖差。目標は変化幅2℃以内
- 最高最低を記録できる水温計で、朝の水温を把握してください
- 冷却ファンの止め忘れが最大の失敗。日中の最高が20℃を切ったら止めどきです
- 餌は水温で決める。15℃を下回ったら減らす、10℃以下ならほぼ不要
- 数字より確実なのは、次の餌の前にフンが出ているかを見ること
- 秋は食欲が戻る時期。食べるからといって与えすぎない
- 水換えは頻度を保つ(バクテリアの働きも落ちるため)。足す水との差は2℃以内に
- 秋後半は暖房で逆方向に振れます。 エアコンの風が当たる場所に水槽を置かないこと
- ヒーターは基本的に不要。熱帯魚向けの情報をそのまま真似しないでください
夏を越えられたなら、いちばん難しい時期は過ぎています。秋のうちに切り替えを済ませて、落ち着いた冬を迎えてください。
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